PUNKスタッフによるオススメの1枚!!"STAFF REVIEW"

  • PUNK
  • ニュース

2019.04.02

  • LINE

  • メール
NEUROOT / NEUROLOGY 1983-2019

BREAK THE RECORDS / BTR097/098 / 営業部:安藤

オランダのハードコアと言えば、B.G.KやLARM、SEEIN'RED、割と最近ではVITAMIN Xなどを思い浮かべる方が多いでしょう。そんな貴方、NEUROOTも是非そこに加えていただきたい。初期のRAWなハードコアアタックな頃はまさにそんな皆様のストライクな所だと思いますが、2019年最新音源もこれまた素晴らしい。苦みばしった玄人ハードコアサウンドは、噛めば噛むほどその造詣の深さに気付く事でしょう。そして聴き処としてブリブリに暴れまくるベースラインを特筆させていただきたい。年代を問わずに一貫してバンド全体を引っ張っていく、誠に稀有なベーシストだと思います。この作品はそんな彼らのスタジオレコーディング曲全てと、近年のライブもふんだんにぶち込んだ、CD2枚組特盛仕様。そしてなんと2019年4月には史上初の日本ツアーまで決定。必ずや皆様の心に深く刻まれるバンドとなるに違いありません。



WETNAP / WETNAP

自主 /  / 新宿パンクマーケット:石谷

33回転のLEATHERFACEがかかるフロアで踊り狂うアリアップ。センスしか感じません。



leech : STRESS GHETTO / Split

Razored Raw / RRAW017 / 千葉店:矢代

千葉は船橋(←ここ重要)のleechとニュージーランドのStress Ghettoによるパワーヴァイオレンススプリット。A面のleechは’17年作1stデモに続く新音源なんですが、前作に増して純度の高いパワーヴァイオレンスサウンドとYacopsaeばりの暴走しまくり絶叫ボイスにカルト的人気を博したGaspの初期やNo Le$$に通じる重苦しい不穏な空気感や予測不能な展開を詰め込んでいて最高です。対するB面のStress GhettoはSpazzやInfestを始めとしたSlap A Ham直系の『THE 王道』サウンドを出し惜しみなく発揮。スリーピースとは思えない音圧とツインボーカルのタフなボイスで鬼タイトに畳み掛ける様にはもうお手上げです。冒頭の意味不明なBGMも◎。個人的にパワーヴァイオレンスにおける'90年代への偏愛と'00年代への嫌悪が滲み出た素晴らしい作品だなと思います。カセットテープもRAWな質感を醸しまくりなのでフィジカルで所持する事を激しく推奨し〼。



control / letter never sent


imakinn records / IR07 / 立川店:中村

東京裏メロディック番長controlのテープ振りの音源はDIY仕様な7インチ。シーンではお馴染み信頼のimakinn recordsからのリリース。激情ハードコアをルーツに持ち、奏でるDCライクなメロディックサウンド、癖になる人も増えてきているのでは?今作も前作同様疾走感溢れる楽曲に乗るGt.Vo.のnjによる癖だらけの声、アルコール並みに中毒性の高い仕様となっております。ジャケットも90'S EMO/HCよろしくなDIY感溢れているのでフィジカルとして持っていたい仕上がりである。ライブではステージドリンクにはちみつを置いているのでライブに行く人はそこもチェックを。



bacho : lostage / Hometown EP

cosmicnote / EZCT82 / 新宿パンクマーケット:吉澤

本当に毎日聴いております、本当です。今日の帰りの電車内でも聴きますし、おそらく明日も聴きます。ちなみにコチラ、12"もリリースされておりまして、家ではそちらに針を落とします。おそらく今晩も針を落とすことになるでしょう。"一家に一枚の名盤"なんてよく謳われますが、"一日に一周の名盤"としてコチラを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。CD、12"ともに数に限りがあるようなので、完売後は各々ホームタウンのローカルたちと貸し借りして聴いてみてください。そんでライブで皆で歌いましょう。その際は宜しくお願いいたします。



KAMISORI / YAH YAH YAH

KAMISORI MANIAX / KMX004 / 横浜西口店:斎藤

2曲目、冒頭の"このクソ共が~!!"でくるみひなのデビュー作での"この巨根男優が~!!"ばりに(?)歌詞通り痛快に走り抜けるビッチビチのスラッピンハードコア!!LIVEでシンガロング必死な1曲目もキャッチーで最高!!さらにLIVE音源2曲収録!!これ聴いてストレスもクソ共もブッ飛ばしてLIVEハウスで叫ぼうBABY!! Yah Yah Yah!!!!!!



BUTTERFLY / White night


自主 / / 営業部:松口

個人的にはFEMALE Vo.の現行ハードコアでは断トツでオススメしたい札幌ハードコアBUTTERFLYの5年振りの新作となる3RDアルバム。日本のハードコアパンクを愛する者なら響かないはずがない、メタルアプローチな哀愁感があるギターに爆走ロックンロール的な要素もある攻撃的なサウンドが堪りません。そして何よりFEMALE Vo.という形容を一蹴するかのようなVo.NORA氏(akaモモやんさん)のジェンダーレスなボーカルで歌われる日本語詞が耳も心も突き刺して来ます。そこにex.FAST DRAW、REALIZED/ANTAGONISTA MILLION STEPSなどの男性メンバー3人による抜群の破壊力を持つ演奏。独自の色を持ち合わせながらも現行ハードコア・シーンでは少なくなってきた、これぞ日本のハードコアパンク。前作までは札幌を代表するレーベルSTRAIGHT UP RECORDSからのリリースでしたが、今回は自主(!)でのリリースという事でメンバーの並々ならぬ気合いを勝手に感じて嬉しい限りです。ディスクユニオンのWEBニュースにVo.NORA氏のインタビューも掲載中&6月には東京レコ発も控えてるのでチェックしてみて下さい。



FIRST TO FIGHT / 4 SONGS

自主 / TWRS002 / 営業部:青砥

暖かくなってきたってのもあり個人的にメロディック熱が高まってきてる今日この頃なのですが、そんな中でバチっとはまったのがこのバンド。ilskaを始めとしたDarkside OYCシーンの盛り上がりも凄いし、やはり岡山最近アツいですね!’00年代のUSメロディックHC/POP PUNKファンはもちろん、国内で言えばHollow Suns、CLEAVE、 For A Reason、bacho、それと惜しくも解散してしまいましたが金沢のKICKASSRAYが好きな方にもマスト。ジャケットデザイナーがAnd Protectorツトム氏っていうのも納得な一枚。初正式音源でこの全曲必聴なクオリティは凄いと思います。



SPEEDWAYS / JUST ANOTHER REGULAR SUMMER

GODS CANDY / SUGARFIX018 / 新宿パンクマーケット:石井

Matt Julian率いるSPEEDWAYSのデビュー作。割とコテコテロックンロール志向だったBreakdowns時代と比べると甘酸っぱいキラキラ系POWER POPに仕上げてきましたね。ジャケも近年のVIBRATORS感あって◎。



SMARTHEARTS / ON THE LINE (LP)

WILSUNS RECORDING COMPANY / WRC096 / 営業部:松口

Bandcampに音源が上がった頃かまだかまだかと心待ちにしていた一枚!SHEER MAGのギタリストでもあるMattがGt./Vo.を務める、ローファイなPOWER POPバンドSMARTHEARTSの1STアルバム。ジャケットからして内容が間違いないのが伝わって来ますが、スピード感のあるパワフルでキャッチーな曲もあれば胸を締め付けてくるような曲もあったりで何度聴いてもキュンキュンが止まりません。朝の絶望しか感じないぎゅうぎゅうな満員電車での通勤をいつもご機嫌な空間に変えてくれてます。ちなみMatt以外のメンバーにはSHEER MAGのSeely兄弟が在籍するNEW WAVE寄りのバンドGUESTSのメンバーなどがおります。去年SHEER MAGが来日したときはMattに対してはニコニコとギター弾いてて可愛いな~ぐらいの印象だったんですが、これを聴いた瞬間から抜群のメロディーセンスを持つソングライティング&ボーカリストとしての魅力に完全に心を奪われました。ジャケット、内容のみならずインサートもときめき仕様なので、ぜひ手に取ってみてください。



G-ANX / FLASHBACK


HELVETET / HEL038 / 新宿パンクマーケット:石井

当店スタッフの間でここ最近盛り上がっているスウェーデン熱を更に加速させたのがコチラの"G-ANX"(読み方が不安だけど今更訊けない)の極上ディスコグラフィー。HERESYにも匹敵するテンションとスピードで爆走しながら右へ左へ脱線しまくるカオスっぷりも最高。帯の作りが適当なのも個人的には高得点です。当店にも久々にドカッと再入荷してますのでお買い逃がしなきよう。



WANNA / 夜を埋め尽くせ

RED TAMBOURINE / 005 / 営業部:佐々木

ex.〜なんて忘れてください。長崎から発信する純度100%日本語パンクロックバンド"WANNA"1stシングル。EL ZINEのインタビューで、ブルーハーツ、ノッカーズ、す、スタパン!!こりゃ聴かねばと期待を寄せつつ。いざ再生ボタンを押すと…やっぱり自分はココか!と再確認させる程の心地良さ。過去は「未来は僕等の〜」「すべての若き〜」等のように、熱く心揺さぶられるほど荒々しいサウンドは勿論、優しく手を差し伸べる歌詞の世界観!!これよ、コレコレ!自分にとっての初期衝動がグワーッと蘇る!もう居ても立っても居られなく、面識のないGt./Vo.ユウタロウさんにDMしちゃうくらい嬉しかった(笑)そんなユウタロウさん曰く、ネガティブな気持ちの先に辿り着いた"WANNA"。若きクソ野朗どもはもちろん、パンクから疎遠な歯を食いしばって頑張っている親父達へ、疲れ果てた帰り道に月を見ながら爆音(そっと)で聴いてほしい1枚。5曲収録で税込540円って言うんだから、こりゃ1日昼飯抜いてでも買う価値ありですよ。300枚限定。
P.S 最近、自転車乗りながら大合唱して帰るおじさんがカッコよく見えてきました。



CRACKS / ZOMBIE TRAIN


DIWPHALANX / PX343 / 新宿パンクマーケット:佐藤

結成20周年、腐敗に腐敗を重ねたゾンビ共が世に放つ殺害ウィルス満載の記念作品。一度見たらその夜は悪夢にうなされるであろう見た目、だけど曲調はPOPさやバラード調もあり、でも歌詞はゾンビテイスティーと絶妙なバランスを保ち続ける"CRACKS"。1曲目のぶっ飛ばし方が好きです、ライブ行きたくなっちゃいました。5曲目の名曲BLOODY CHAINSAW、オリジナルの日本語も良いですがの英歌詞verもよりしっぽりさが増しますね~。ジャケットイラストもサイコビリー界の巨匠の作品で非の打ちどころがありません。



SAFE AND SOUND / ONLY IN DEATH

NEW AGE / NA77CD / 営業部:時田

初期ニュースクール路線のバンドも今や世界中にごまんといますがその中でも出色の出来ではないでしょうか。特にアルペジオとスポークンの入れ方、最高。個人的な感想だと"CULTURE + MORNING AGAIN"。GENETから出てた90年代後期ベルギーのバンドか?と思うほど微妙なセンスのいなたみ溢れるジャケットも好きですね。



GREASE UP MAGAZINE / VOL.16

GREASE UP / VOL16 / 新宿パンクマーケット:佐藤

ディスク..ではありませんが、是非ともお手に取っていただきたい。"リトル・エルヴィス・リュウタ"氏が監修する雑誌「GREASE UP MAGAZINE」の最新号VOL.16。毎号ROCKABILLY/ROCK'N'ROLL界隈などのよりコアな特集を深部まで掘り下げていますが、今号は個人的にも待望の『サイコビリー特集』なのです。歴史、ファッション、ディスクレヴューなどなど、取り上げられる事全てやってるんじゃ?と思う程ボリューミーなサイコビリーづくし!GREASE UPは特集内容まったく知らないって方も面白く読める、単純に読み物として面白いのでオススメです。



SAIGAN TERROR / Anatomy of Saigan


BOWL HEAD inc. / BHI032 / 営業部:時田

"待ちに待った"という表現がこれほど似合う1枚も近年なかったかと思います。先行でアップされたSavageの、まるでMentally Murdered~Harmony Corruption期NAPALM DEATH(インタビューでSAKIさんもフェイバリットにあげてましたね)やTERRORIZERのDead Shall Riseばりのデスメタル/グラインドコア要素を落とし込んだハードコア・スラッシュに期待値上がりまくってましたがそれもすんなり超えてくる完璧な仕上がり。ほんと色んな成分が溶け込んでて定型的クロスオーバー・スラッシュとは一線を画しすぎてるんですが、でもこれはやっぱりクロスオーバーだ!あと久保田さんのライナーノーツも最高なので必読。



TORNADO / Get inside EP


LEFT HAND Records / LHR002 / 営業部:牛頭

国内メロディックパンクバンドでは去年リリースされたQUICKDEADのアルバム以来久々名盤の予感です。最近懐かしくなってSatanic Surfers聴いてたらスケートパンク熱が高まってしまいBlowfuse(オススメ)とか聴きまくってたんですけど、その勢いでこのアルバムに出会ってしまい今気持ちが追いついてません。しかもこの前カリフォルニアLONG BEACH DUB ALLSTARSのジャパンツアーを観に行ったばかりなので(OPIEさん~~)あれもしかして今夏かも..と季節を疑っているところでしたが、アルバムラストがSublimeカバーってことでああやっぱり夏だよね..ってなっております。このカバーはLBDAジャパンツアーにも出演したHAKAIHAYABUSAのKZ氏がゲストボーカルとして参加してます。



Table / オレンジの世界

NARROW GAUGE RECORDS / NGR004 / ディスクユニオン渋谷パンク・ヘヴィメタル館:小林

BEYONDS、BADGE 714等で活動した中村シュウイチが、ドラムの中村アスカと1995年に結成。2018年より自身のレーベルNARROW GAUGE RECORDSも立ち上げ、8年振りとなる単独作品を発表。この2人だからこそのオリジナルサウンド。現在はベースメンバーが脱退しましたが、自主企画「うたものくそ野郎」も定期的に開催し、メンバー2人体制となりながら精力的に活動中。



THE PRISONER / THE VERY BEST OF THE PRISONER 2004-2018

DIWPHALANX / PX344 / 営業部:松口

15年近くに渡り活動を続けてきた、THE PRISONERのメンバーチェンジ後の初音源かつ全曲新録の初ベスト盤が遂に登場。日本のパンク/ロック/インディーズ音楽をベースに、メンバーのルーツである70sパンク/Oi!/MOD/SOUL/etc.が所々に散りばめられた楽曲に胸を打つ日本語詞。代表曲とも言える曲はもちろん、最近のライヴではあまり聴くことが出来なくなった中期の名曲、1STアルバムからの楽曲も歌詞を変更した2019年ver.で収録された新旧(なんてどうでもいいですが)ファン問わず楽しめる選曲完璧なベスト盤になってます。そして新録だけでなくアレンジまでされており、何よりも驚かされたのが現時点では最新オリジナルアルバムの楽曲も一聴してハッとするほどに進化してること。個人的には気になるバンドが居たらベスト盤よりオリジナルアルバムを薦めたいし買う派なんですが、THE PRISONERが気になるって方にはこのベスト盤は激オススメです。漫画家つの丸氏による強烈なインパクトのあるジャケットに負けず劣らずな熱量を持った、集大成的な作品ではなくこれが現在のTHE PRISONERだと言わんばかりの一枚。先人が言ったパンクはアティチュードという言葉、きっとTHE PRISONERみたいなバンドの事を言うんだろうと思います。そんなベスト盤の域を超えた作品をリリース後は間髪入れず6月頃には新作フルアルバムをリリース予定&全国ツアーも計画中とのこと!まだまだ振り返ってる暇なんてないですよ?

【過去レビューはこちら】
■STAFF REVIEW vol.01号
■STAFF REVIEW vol.02号

■STAFF REVIEW vol.03号