PUNKスタッフによるオススメの1枚!!"STAFF REVIEW"

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  • 2019.07.22

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    SEVENTEEN AGAiN / ルックアウト
    KiliKiliVilla / KKV074 / 営業部:安藤

    何を今更、と言われるかも知れないが彼らはハードコア・バンドだった。西荻窪WATT'Sの腐臭を愛し、今より真っすぐに捻くれていた。ボーカルのヤブソンが何かのインタビューで「僕たちの新作を聴く度に前作と何も変わって無かったら、SEVENTEEN AGAiNは"変わってしまった"と思ってください」と言っているのを見て、やっぱり捻くれているなと思った。でも彼らの紡ぎだす音楽はとっても透明で、正直であると感じた。POST的なサウンドが~とか色々言う事は出来るのだが、そういう事ではない。楽曲を大切にすると透明度を増すのかもしれない。KiliKiliVillaのコンピレーションで聴いて衝撃を受けた"リプレイスメンツ"を思い出す。生活に寄り添う音楽はとても心地が良いものだ。




    SLINGSHOT DAKOTA / Heavy Banding (LP)
    STIFF SLACK / STSL117 / 新宿パンクマーケット:石谷

    まさかのクソみたいなジャケットで到着した新譜ですが、音の方はご安心ください。相変わらずのグッドソングライティングで、良い意味で前作までの流れに沿った新作。




    NOSFERATU / SOLUTION A (LP)
    LA VIDA ES UN MUS / MUS196 / 営業部:時田

    個人的には近年La Vidaリリースの中でも飛び抜けたインパクトを受けた一枚。何度か聴いたうちは商品ページに挙がってるバンド(KORO、GANG GREEN、NEOS、PANDEMONIUM、RUPTURE、DIE KREUZEN)が頭に浮かんだけど、加えるならYDI、CHAOS UK(のSHORT SHARP SHOCK)なんかも想起。それらが全部ぐちゃっと混ざりあって爆散したみたいな壮絶サウンド。とにかく、速くてノイジーでぶっとんだハードコア(≠グラインド、ファストコア)が好きならノールックで聴くべし。




    Retortion Terror : WORM / split
    HARDCORE KITCHEN / HCK048 / 横浜西口店:斎藤

    ex-DEVICE CHANGE、HERO、PREJUDICEのメンバーによるクロスオーバー・バンド"WORM"。思わず首を振るヘヴィーなグルーヴにグラインドコア、フュージョン、ドゥームとハイブリットサウンドの展開に次ぐ展開、更にはサイケデリックなパートでトロけちゃってからのブラスト。最高です。
    ex-MORTALIZED、GRIDLINKのMatsubara氏によるGRINDCOREバンド"Retortion Terror"。いったいMatsubara氏が今作ではどんな音を鳴らしてくれるのかとワクワクしてずっと待っていました。ドラマティック過ぎるグラインドコアサウンドに"WORM"ではありませんがグルーヴィーなパートもあり更にはゲストボーカル陣によるラッピンボーカル?!や様々なスタイルのボーカルが乗っかる新たなグラインドコアを鳴らしています。まだまだアルヨグラインドコア!いつまでも更新し続けて欲しい思わずにはいられない2バンドによるスプリット。




    柳家睦&THE RAT BONES / 夜に濡れる花びら
    BIG RUMBLE PRODUCTION / BRP037 / 新宿パンクマーケット:吉澤

    こんな時代だからこそ推したい6曲目、"ロクデナシ"。選挙権を持つ全日本国民の耳にこの1曲が流れ込めば、この国=我々が抱える不安も多少は変わってくるのではないでしょうか。




    HATES / PANACEA (LP)

    RAVE UP / RUR83 / 新宿パンクマーケット:石井

    USテキサス産70's PUNKバンド"HATES"の82年にリリースされた唯一作アルバムのリイシュー盤。80年代初頭あたりのパンク~ハードコア過渡期にあたるバンド特有のサウンドってあると思うんですが、アグレッシブさとキャッチーさをうまいことミックスした本作はまさに両方のおいしいとこ取りな好内容。激キャッチーに仕上がった「Houston」PUNKカバーに、ウッドベースバッチバチか!?と一瞬勘違いしてしまうような驚異的なタム回しを聴かせる「Also Watched」などなどバラエティ性もきちっと兼ね備えております。オリジナルには未収録のライブテイクも収録した全12曲入り。一体誰向けのリリースなんだ?と首をかしげてしまうほどのマニアックさで知られる我らがRAVE UP RECORDSですが、今作はマジでGJ。




    she luv it / she luv it
    Mouse Records / MOUSE013 / 営業部:時田

    暴力衝動を喚起するブルータルなビートダウン・ハードコアを軸に据え、何層にも重なったノイズと重低音の壁が極限まで研ぎ澄まされた音像と相まって緊張感と殺傷力を何乗にもしている。それでいて一つ一つのフレーズのキャッチーさ、アルバム通しての流れの良さも格別で何度も聴いてしまう中毒性をも秘めている。多様な音楽要素が溶け合った末のこの異形ミュータント・サウンドは聴く者によっては異端のスラッジコアであり極北のメタルクラストなのかもしれない。私感ではあくまで"極悪ハードコア"の本質を貫いていると思う。大阪のハードコアは昔も今も本当に凄い。




    ghettos / CHAOS & PIECE
    人間堂 / NMCR22 / 営業部:青砥

    杉並区民として毎年マストで遊びに行く"高円寺阿波踊り"、2年ぐらい前だったか、お祭り最後の演舞も終わって帰ろうとした時、PAL商店街の中が何やら騒がしく大勢の人だかりができているので気になって行ってみると、商店街入ってすぐのスタジオDOMの前でゲリラライブを行っているゲットーズの姿が。祭り終わりの寂しい気持ちを吹き飛ばそうとグシャグシャに踊り狂う大観衆と、何が起きているんだか理解できていない通行人、そして駆けつけるお巡りさん達により一気にカオスと化した現場・・1曲目『ナマクラ』を聴くとその時の光景と興奮が一気に蘇ります。ファンクやソウルミュージック、それについて詳しい事は正直よく分かりませんが、自分から言えるのはこれは全てを飲み込んだゲットーズ流の『ハードコア・パンク』だという事。こういったバンドを生み出す高円寺という街は最高です。




    MUSTANG / MIND WANDERING
    BREAK THE RECORDS / BTR018 / 大宮店:三浦

    言わずもがな日本が世界に誇る函館シティハードコア、MUSTANGの単独作がお馴染みのF.O.A.D RECORDSとBREAK THE RECORDSより共同リリース。真骨頂とも言える弁慶氏のドラマチックなギターサウンドは今作も健在。メンバー各々のキャリアと伝統からなるアンサンブルは流石の一言。私個人的に3ピースの衝撃とは、まさに彼らのことであり、初めてライブを観たときの衝撃的な出会いを思い出します。そんな初期衝動さえも全て駆り立てられる楽曲達は、一曲一曲に込められている情熱と想いが圧倒的な存在感となっており、放たれる言葉は心に突き刺さってくる大名盤。これぞ、ジャパニーズハードコアの現在地。間違いなく世界水準。




    LAST RIGHT BRIGADE / HOY POR LA LIBERTAD E.P.
    KICK ROCK / BEF22 / 営業部:佐々木

    ここ最近も敏感に反応してしまう「茨城/水戸ハードコア」。今回はちょっと前に発売された"LAST RIGHT BRIGADE" 4曲入り1st7インチ。2015(?)年Demo振り、筆者にとっても待望の最新音源!前作同様、いやいや更に研ぎ澄まされた80〜90年代のUSハードコア& JAPANESE HARDCOREを色濃く交錯させた直球ハードコアサウンドは健在に、思わず拳を振り上げたくなるようなカリスマ性抜群の日本語歌詞!まさに疾走感抜群の1枚としか言えない。1曲目「Hoy Por La Libertad」の入りのドラムがアノ名曲と似ていて思わず「おぉ!!」ってなってしまったのは私だけでしょうか(笑)兎にも角にも是非一度は聴いていただきたいです。こちらリリース元は今後も要チェックな仏KICK ROCKより。あと、正月地元(仙台)で見たGt.橋本さん(LAST RIGHT BRIGADE,Record KNOX店長)メンバーの"ULKAS"もめちゃくちゃカッコ良かったんで是非チェックしてほしいバンド!"ULKAS"音源化待っています!!




    J.ROBBINS / UN-BECOMING (LP)
    DISCHORD / DIS187V / 立川店:中村

    J.ROBBINS御大ソロ名義初となるアルバムやはりリリースはDISCHORDから。1曲目からJ.ROBBINS節全開のギターワークにうっとりするヴォーカル、口で説明しにくいので聴いて納得して頂きたい。アナログで聴くのがベター。JAWBOXの活動も再開したので今後どう動いていくかも非常に楽しみです。




    SLASHING DEATH / OFF
    SELFMADEGOD / SMG214 / 営業部:時田

    ポーランド・デスメタル・ゴッドVADERを支えた名ドラマー、故Doc氏が若い頃にやっていたというプロト・グラインドコア・バンドのデモ集CD。88年デモはカナダSLAUGHTERがぺしゃんこになったような超ペラペラのファスト・スラッシュ。89年デモになると何が起こったのか初期SEPULTURAとかSARCOFAGOみたいな南米ベスチャル・グラインド・スラッシュに突如変貌。この作品からDoc氏が加入。前作の冒涜感は減退して所謂"グラインドコア"的サウンドに着地した90年デモは、妙にライトなムードがUNSEEN TERROR、初期LAWNMOWER DETHっぽい。速いのが好きならどの時期も、あるいはどの時期かは必ず楽しめるはず。味気ないジャケットだけが残念。




    BRATS / 1980 BRATS
    HIGH ROLLER / HRR675 / 新宿パンクマーケット:小室

    SODSやLOST KIDS等を代表とするデンマーク70'S PUNKとは一線も二線も画し、そしてメタルファンにはお馴染み過ぎるMERCYFUL FATEの前身ということでパンク/メタル双方のファンが望んでいた1stアルバムの再発盤が登場。所謂1970年代前半のハードロックから影響を受けたであろうサウンドをベースに良い意味で速かったり遅かったりと多少のムラがあり、私的に少々強引ですがTHIN LIZZYのパンク版とでも例えようか、ストーンズっぽさもどことなく感じられます。一部ではNWOBHMならぬNew Wave Of Denmark Heavy Metalと形容されたりもしていますがパンク5:ハードロック4:メタル1くらいの割合かと。聴く毎に発見があるとことん中毒性の高い作品です。




    CAVITY / WRAITH (LP)
    VALLEY KING / VKR1209 / 千葉店:内澤

    ちょっと前のリリースで申し訳ございません。「おっ…なつかしい」と思った方も多いのではないでしょうか。私めもでした。USはフロリダのスラッジコア「CAVITY」の17年復活作からの名前に「A.D.」をつけての2作目アルバムです。根本のスラッジコア・ハードコアの成分はもちろん消えてはいませんが、「Supercollider」や「Laid Insignificant」の頃のようなストレートだけどうねりのある王道スラッジ路線を進むのではなく、独自の不思議な進化を遂げていて非常に面白いです。針を落とした瞬間からひたすらに打ち付けられる呪術的で閉塞感のある、ハードコアもスラッジもブラックメタルもオルタナも飲み込んだような世界観に40分間飲み込まれる中々の好内容です。寝る前ややることのない休日に部屋を真っ暗にして、お香…チャンダンなんかをガン焚きしつつ、明日の仕事の事を考えながら聴きたい、そして「どーせリユニオンなんて…」って先入観抜きで聴いていただきたい1枚ですね。もちろん17年復活作も同系統ですのでオススメです。




    HILLBILLY MOON EXPLOSION / SPARKY SESSIONS (LP)
    JUNGLE / 5213117 / 営業部:松口

    女性ボーカルのロックンロール好きにオススメしたい2タイトル!まずはこちら。ビリー好きには説明不要のスイス産ロカビリーバンドHILLBILLY MOON EXPLOSIONがイギリスの最恐サイコビリーバンドDEMENTED ARE GOのボーカルSprakyを迎えて「SPARKY SESSIONS」と題されたアルバムをリリース。今までもコラボレーションはしてきましたが今作では全編で夢のコラボレーションが実現。初っ端からSprakyのダミ声サイコビリー・ナンバーで幕を開けたかと思えばEmanuelaの低音と高音を上手く使い分ける妖艶でセクシーなボーカルが光るしっとりとしたナンバーからミドルテンポ、シングル盤でリリースされたスカが取り入れられたナンバーなど幅広く収録。特に聴いて貰いたいのが数えきれない程のアーティストに歌われてきた「君の瞳に恋してる」のカバー、2人の相反する掛け合いボーカルが堪らない秀逸カバーです。




    KIM LENZ AND THE JAGUARS / SLOWLY SPEEDING (LP)
    PAISLEY ARCHIVE / PA059 / 営業部:松口

    お次はテキサス州北部の都市ダラス出身の女性ロカビリー・シンガーソングライターKIM LENZ。Wanda Jacksonなんかも彷彿とさせる歌声と耳に残るキャッチーなメロディーで彼女もロカビリー好きには人気の高い存在ですが、これまでの印象をガラッと変える5枚目の新作ソロ・アルバムをリリース。キャッチーさやポップさなどは一切なく、真夜中に聴きたくなるような彼女の魅力的なボーカルがさらに映えるスローナンバーなどが収録された心地良い大人のロックンロールを聴かせてくれてます。パンク的なロックンロールでもなければ正直好き嫌いは分かれる一枚かもしれませんが、今までのイメージを自ら破り捨てたかのような姿勢にはパンク的な精神を感じずにはいられません。カントリーやブルース、ゴスペルなどの要素も取り入れられ、50歳を過ぎた彼女が愛してきた音楽が詰め込まれた懐の深さが十二分に感じとれる作品となってます。


    【過去レビューはこちら】
    ■STAFF REVIEW vol.01号
    ■STAFF REVIEW vol.02号

    ■STAFF REVIEW vol.03号
    ■STAFF REVIEW vol.04号
    ■STAFF REVIEW vol.05号
    ■STAFF REVIEW vol.06号