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フランソワ・モワティは、マヌ・ディバンゴ・バンドのキーボード奏者である傍ら、映画、TV、CM音楽等メディア世界でも活躍する作曲家。その多才なモワティーの新作は、「存在しない映画のためのサウンドトラック」集。曲のタイトルを眺めるだけで、アクション活劇、エキゾなスパイもの、大都会地下ストーリーなど、様々な情景が想像できそうであり、モリコーネ、ルグラン、ジョン・バリー、ニーノ・ロータ風に聞かせるような仕掛けで、映画音楽ファンにもタネ探し的な愉しみも多分に盛り込んでいる。
演奏はサンプリングも然ることながら、エスノ・アンビエントの巨匠として認知されるモワティだけに、民族楽器や各種打楽器のミュージシャン・サウンドが主体で、そこへブタペスト・シンフォニー・オーケストラが彩りを与えるという凝った録音である。テルミンや電子シンバロン、ウードなどもアクセント。クラフト・ワークの名曲を引用したM9、ウーム・カルスームとジミー・ペイジを混ぜたM4、ラスト・エンペラーでの坂本龍一を完全に意識したM5、「ティファニーでアフターを」(M7)など、思わず笑ってしまいそうな発想も相当ハマっている。 セリフのサンプルも効果的で、それだけで「見たことあるはずのない」名作映画の雰囲気を作ってしまう。このインストゥルメンタル・サウンドは「マッシヴアタック以降のムード音楽」と名づけてもいいくらいの素晴らしさである。
FRANCOIS MOITY