これがリアルでフレッシュなアジアの音楽だ!タイのHIPHOP、レゲエ・シーンの重要人物JUUの新作が発売!

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2019.07.29

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鎮座DOPENESS、スティルイチミヤ(田我流、MMM、Mr.麿、Big Ben、Young-G)参加!まだアメリカが知らないHIPHOP最新形はここにある! 88risingと真逆の方向からアジア・ローカルをレペゼンし、それ故に グローバルに通用する全くフレッシュな音楽を創作するタイの異能、Juu。 オートチューンを手にいれたキャプテン・ビーフハートか?水牛に乗ったドレイクか? 1stアルバム『ニュー・ルークトゥン』がいよいよドロップ!



Juu(ジュウ)とは何者か?魅力的なアクトがひしめくタイHIPHOPシーンでもOG としてリスペクトされる彼だが、国外からキャッチするのは困難を極める。タイ語で 歌いフィジカルはゼロ、Youtubeにしかいない彼にOMK(One Mekong)が接触し、 2017年には初来日ライブを敢行。その異形な音楽性と人物像が明らかなった。太す ぎるベースと刻まれたハイハットのグルーヴはTRAP以降のそれだが、自在なフロウ、 英・タイ・日本語・甲州弁を織り交ぜるぶっ飛んだ言語感覚、豊穣なタイ音楽クラシッ クからの引用(あとファニーな人柄)そのどれもが当世に溢れるTRAPコピーキャッ ト達と全く別次元にいることを示していた。
 

本作はこの異才とOMKの面々が意気投合し、stillichimiyaのYoung-Gのリードで共 同制作を始め、2年がかりで上げた初のフル・アルバムだ。大半のトラックが Young-Gの手になるもので、これがOMKのアティテュードを反映した野心にみなぎっ ている。タイ固有のビートやグルーヴを注入するため必然としてタイの楽器ケーンや ピンを取り込む手法にエキゾチシズムは介在しない。そしてメロウな曲で滲み出るの はルークトゥンとも日本の演歌とも通じるフロウ(歌心)。それらがJuuのバックグ ラウンドであるHIPHOPやレゲエを介してなんとも言えない「新しい歌謡感」を生み 出している。
 

 表題が示す通り、本作は死滅しかけていたタイ歌謡、ルークトゥン(*1)を最先端 HIPHOPでパッタナー(*2)したものだ。このルークトゥンという音楽は、過去の クラシックを何度も引用(サンプリング)して蘇らせ、同時に歌詞(リリック)を極 めて重視する点でHIPHOPと太い共通項を持つ。このルークトゥンとHIPHOPに通じ るマナーを完全に矛盾なく消化しきったのが本作だ。Juuが制作の過程で「これは ニュー・ルークトゥンだ」と言ったことから付いたタイトルだが、これは必然という べきネーミングだろう。本作は「最新のHIPHOP」であり「最新のルークトゥン」で もあるのだ。タイHIPHOP界最高の”マスター・ポエット”としてリスペクトされる Juuの世界は、難航を極めた(!)完全対訳で是非チェックを!


*注釈: 1)ルークトゥン:“田舎の子”、“田舎者の歌”の意を持つ音楽ジャンルで、1960 年代半ばにその名が確立し、現在はタイのナショナル・ミュージックとして継承さ れる歌謡音楽。田園風景、田舎と都市の対比、市井の生活や時事問題を扱い歌詞を 特に重視する。特定の音楽形式がないため雑食性が高い。 2)パッタナー:タイ語で変革、発展、改革の意。プロデューサー達が好んで用い る言葉。タイではパッタナーを怠った音楽はあっという間に一線からいなくなる。 3)歳上を敬う社会であるタイの音楽業界には師匠・弟子の伝統がある。HIPHOP であってもその関係は揺るぎない。

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