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まぼろしか、うつしみか、鬼母神か、シバ神か、
知らぬが仏、知るはオニ。
百戦錬磨の世紀末の神楽人らに囃されて、大樹の木霊の依霊と化した北国育ちの女声が、時に朗々と、
また時にしっとりと謡い上げる比類なき言霊の数々。それらは、放蕩三昧の挙句の深い陳謝の姿であり、
初めて見る故郷の異形のライフスタイルであり、隣近所を徘徊するアイコンに迂闊に喚起される追憶であり、
無間地獄の草原に暮らす者の唄う追分であり、繰り返せども終演することのない呪文との日々であり、
爽やかに笑む愚者共に揉まれる漫遊のさまであり、待ち焦がれた再生の時に立ちはだかる甘美なる誘惑である。
然してそれらは一見白昼にゴーゴーを踊る魑魅魍魎の如くして、不思議とふくよかに聴くものの心を掴む。
三橋美香子 唄 近藤達郎Key 浦山秀彦 G 植村昌弘 Dr ゲスト 仙波清彦 Per 小川美潮 唄
オニ