とにかくもう有無を言わさず素晴らしいのがジョーサンプル。ジャケのクレジットを見ると「JOE SAMPLE/RHODES PIANO,WURLITZER」とある。「キーボード」とか「エレクトリック・ピアノ」ではなくて「ローズ、ウーリッツァー」という表記なのです。鍵盤マニアのサイトじゃあるまいし細かい説明は省かせていただきますが、今時、ライヴで、このようなヴィンテージ・キーボードが、ただでさえ適当に(?)シンセで代用するベテランが多い中、第一人者と言ってよい名手だが特に80年代以降は生ピアノの印象も強かった、サンプルの手によって弾きまくられているとは。もうこのクレジットを見ただけで感動してしまいました。演奏も勿論文句の付け様などあるわけが無く、「これがエレピだ!」「ホントにクルセイダーズだ・・・」とため息の連続。あえて生ピアノを弾かない意図はなんだったのか、気になるところではありますが、全・ソウル・ジャズ・バンドのアンセム「WAY BACK HOME」ではあの名ライブ盤「スクラッチ」が頭をよぎったりして、やはり全盛期のあのサウンドの再現(?良い意味で)だったのは疑いようもないでしょう。2002年の「ルーラルリニューアル」で話題となったスティックスフーパーの不在は残念ですが、若手ながら巧過ぎずスティックスばりにギクシャクしたファンキーなノリでクルセイダーズ・サウンドに見事に溶け合うケンドリックスコット(ds)や、豪華ゲスト:レイパーカーJR(g)のカッティングも素晴らしい。リアルタイムで全盛期を体験された方々も、バーゲンＬＰのダンボールからそのグルーヴを発見した若者達も、全員必聴の名作ライヴ!!
JOE SAMPLE(el-p)WILTON FELDER(ts)RAY PARKER JR(g)STEVE BAXTER(tb)KENDRICK SCOTT(ds)FREDDIE WASHINGTON(b)