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英ATHENS OF NORTHから素晴らしいリイシューが!

おそらく、トップクラスのコレクターでなければその名前すらピンと来ないのではないでしょうか。それもそのはず。原盤Appleray (AR77101) は「いくら出しても買えない」とまで言われ、最後に売れたのは某オークションで約7,000ドル。これだけで「ヤバイレコード」であることを表すには十分ですが、以下、ATHENS OF THE NORTHのEUAN FRYERのコメントから要点をかいつまむと、、


EUAN FRYERが初めてこの『GANGSTER BOY』と出会ったのは12年も前のこと。DJであり、コレクターであるDAVID RIPOLLESがクラブで何やらヤバイレコードをかけているのでDAVIDに尋ねると、それはアセテート盤で、そこには"WANDA MCDANIEL"と書かれていた。

すぐにEUANとMALCOM CATTO (HELIOCENTRICSのドラマー) はそのアセテートに書かれていた、プロデューサーRONALD CRAWLEYへ接触すべく調査に入る。幸運なことにRONALDと接触はできたものの、大きな問題があった。マスターテープは勿論のこと、誰一人としてリイシューに耐えうるClean Copyを所有していなかったのだ。結局この話はその時は頓挫したのだが、それから約10年もの間、EUANはクリーン・コピーを探し続け、この度漸く完璧なミント・コピーを手にすることでき、12年越しのリイシューとなったわけである。

ちなみに、オリジナルのラベルのクレジットには "RON TINY CRAWLEY, WANDA MCDANIEL AND ULTIMATE CHOICE" の記述があるが、EUANの調査でそれが誤りであるということがわかったそうだ。実際は、ペンシルベニアのバンド、"REALITY BAND AND SHOW"によるもので、メインの女性ボーカルは"GLADYS"と呼ばれていた別のシンガーであるという。ULTIMATE CHOICEは単なるバッキング・バンドで、WANDA MCDANIELはおそらくレコーディングにちょっと顔を出した程度のバック・コーラスであったらしい。ちなみにWANDA MCCDANIELはプロデューサーのRONALD CRAWLEYの兄妹であるらしい。

このAppleray原盤 (AR77101)のレコードは77年にペンシルベニアのASTERIX STUDIOSでレコーディングされ、マーケットのレスポンスをチェックすべく300枚がテスト的にプレスされたようだが、反応が全くなく、関係者もそのまま放置し次の仕事に移ったというから、本当にオリジナルは300枚もないだろう。