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いちばん待たれていたゲルギエフの「展覧会の絵」
手兵マリインスキー管と満を持しての再録音
待ちに待ったゲルギエフとマリインスキー劇場管による「展覧会の絵」と「はげ山の一夜」新録音が登場です。同曲は2000 年録音の名盤が存在しますが、オーケストラがウィーン・フィルで、素晴らしい演奏ではあるものの、ゲルギエフとしては自分を出し切れていない感がありました。今回は手兵マリインスキー劇場管を自在に操り、思う存分の表現を繰り広げています。
「展覧会の絵」はラヴェル版。ゲルギエフは「ダフニスとクロエ」の超名演をはじめ、ラヴェルのオーケストラ曲を得意としているだけあり、抜群の巧さを示しています。悠然としたテンポ、各曲の性格分けも明快で、後半の凄まじい盛り上がりは興奮もの。また、「はげ山の一夜」はデッカ盤のリムスキー=コルサコフ版ではなく、ムソルグスキーの原典版なのも注目。アバド盤をはじめいくつか聴くことができますが、ゲルギエフとマリインスキー劇場管という本場ロシア最強の組み合わせで録音されたことは驚きと申せましょう。粗削りとか狂気と評されますが、ゲルギエフの解釈だと奇妙な煌めきに満ちた不可思議な世界が広がり、リムスキー=コルサコフ版以上のエネルギーと猟奇性を味わせてくれます。
ゲルギエフの「死の歌と踊り」は1993 年にホロストフスキーとのCD、2012 年のウィーン音楽祭オープニング・コンサートでセミシュクールとのDVD がありますが、今回はイタリアの実力派バスのフェルッチョ・フルラネットを独唱者としています。セミシュクール盤はラスカトフのオーケストレーションでしたが、今回はショスタコーヴィチ版。オペラの一部とみまごう渾身の演技に息が止まる緊張感。ムソルグスキーの凄さを再認識させてくれます。
SACDハイブリッド盤による高音質録音も注目。「展覧会の絵」の「プロムナード」冒頭のトランペットの絶妙なニュアンスや「ババ・ヤガー」「キエフの大門」の全合奏の強音でのレンジの広さに驚愕。あらゆる意味で「展覧会の絵」のベスト盤が登場したと申せましょう。(資料提供:キングインターナショナル)
【収録曲】
ムソルグスキー:
1. 展覧会の絵(ラヴェル編)
2. 死の歌と踊り(ショスタコーヴィチ編)
3. はげ山の一夜(原典版)
ワレリー・ゲルギエフ(指揮) マリインスキー劇場管弦楽団
フェルッチョ・フルラネット(Bs)[2]
【録音】
2014 年6 月、10 月 マリインスキー・コンサート・ホール(サンクトペテルブルク)
VALERY GERGIEV / ヴァレリー・ゲルギエフ
ロシアの指揮者
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MUSSORGSKY:PICTURES AT AN EXHIBITION/ETC
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