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クラウヂオ・カルドーネは、モノ・フォンターナ、アレハンドロ・フラノフなどに続く音響派の流れを汲む鍵盤奏者/作曲家/アレンジャーである。長年、今は亡きアルゼンチン・ロックのレジェンド:スピネッタのバンドに在籍し、その独特なセンスを有するサウンド・メークの根幹を務め上げ、類希なる才能を開花させたことはアルゼンチン音楽シーンでは知らない者は無いほどの逸材だ。日本のアーティストのASA-CHANG &巡礼をFBでシェアしていることからも、その音楽観がうかがい知れるかもしれない。
モダン・フォルクローレ・シーンにもパイプを持つ彼が今回リリースする自身のソロ・アルバムは、オリジナル・レパートリーに多彩なアレンジを施した壮大な2枚組の大作に仕上がっている。1枚目は、音響派のテイストを盛り込んだエクスペリメンタル編。ネイチャリズムに根ざした音響効果(鳥や犬の鳴き声や、楽譜をめくる音の挿入)や、エレクトロニカ的な音飛び効果、グリッチノイズ、FM音源から8BITゲームのような少し懐かしささえ覚えるチープな電子音など、モノ・フォンターナが生むようなミュージック・コンクレート的作風に通じる音像を構築しているのが、まず印象的。さらには、CD2枚目に入ると一転、アコースティックを基調とした気高い質感に変容。正統派ピアニストとしての側面が映し出されていくレパートリーの中で、フィーメル・コーラスとのコラボレートが感動を誘うラスト・トラックは、あまりに素晴らしい。音楽家然とした高尚さだけでなく、どこか親しみやすさを感じるのは、クラウヂオ・カルドーネという人間性が音の中に投影されているからであろう。
CLAUDIO CARDONE / クラウディオ・カルドーネ