コンピレーションmastercutsにも収録されたハーモニカ奏者八木のぶおによる国産アフロディスコ傑作 “mi mi africa”で幕を開け、 数多くの楽器をこなすマルチプレイヤー清水信之が若干19歳の時にリリースしたファーストアルバムに収録されている彼が多くの楽曲のアレンジを務めたepoがコーラスで参加しているジャジーなフュージョンディスコ”silver top”、 ヴォーカリスト山本圭右を中心とするバンドpiperのセカンドアルバムにして最高傑作といえるsummer breezeに収録されている山下達郎ライクな”samba night”、 桑名正博の実妹でもある桑名晴子がフリーソウルクラッシック”million stars”で知られるmackey feary bandがプロデュースしハワイで録音されたジャパニーズソウル傑作”あこがれのsundown”、詩人、彫刻家の高村光太郎の父、高村光雲の曾孫にあたる高村亜留のデビューアルバムに収録されたcheryl lynnのgot to be realへの日本からのアンサーとも言えそうな”恋は最高(i’m in love)”、 日本のトレヴァーホーンと称され伝説のテクノポップバンドtpoのプロデューサーでもある本間柑治のプロジェクトhonma expressによるカルトエレクトリックポップ”what the magic is to try”、 ymoのツアーサブメンバーでもあったピアニスト橋下一子とパートナーの藤本敦夫によるユニットcolored music唯一のアルバムに収録されているニューウェーブもシンセポップもジャズも飲み込んだジャパニーズレアグルーブの最高峰と言って過言では無い”colored music”、 アイドルユニット少女隊のデビューシングルのbサイドに収録されているダビーなエレクトリックニューウェーブディスコ”electric city”は少女隊は全く歌っていませんが国産ダンストラックの最高峰、沖縄出身のバイリンガル当山ひとみのアルバム”next door”に収録されているthe whispers-it’s a love thingのメロディーを引用したと思われる軽快なディスコ”love is the competition”、 マライアプロジェクトのディーヴァ村田有美のファーストアルバムに収録されているファンキーでソウルフルなロッキンディスコ”krishna”、 ルパン三世のエンディングテーマやdj krushの作品への参加でも知られるジャズヴォーカリスト大野えりが歌うchaka khan/i know you,i live youを連想させる”live hard,live free”、 札幌のインディーレーベルparadise recordsからリリースされた本格派シンガーminnieを中心とする哀愁ディスコ”rocket 88”はインディーからリリースされていたとは思えない完成度、 和製ディスコプロジェクト、イースタンギャングが手がけるアフリカ人の父とスウェーデン系アメリカ人の母との間に生まれたシューディーが歌うジャパニーズディスコ定番”tokyo melody”で締めくくる珠玉の全13曲。
COMPILED BY TOSHIYA KAWASAKI MASTERING BY KUNIYUKI TAKAHASHI COVER PHOTO BY MIKA KITAMURA
収録曲を選び始めた時はどちらかというと日本人が作った感じがしないUS直系のディスコ等が良いと思っていたのですが、ライセンスの許諾の関係で使用出来る音源がかなり制約されて来て、また同時に日本人らしさが感じられない音楽もどうなのかと思い始め、新しいレーベルや企画を始める時は音楽の内容よりもタイトルやアートワークからどういう音楽をリリースして行く等が決まって行ったりすることも多く、今回のコンピレーションのタイトルmidnight in tokyoというところから、東京の真夜中に聴くサウンドトラック的な感覚でコンパイルしようと方向転換したところ、ホームリスニングとしても場所や時間帯によってはクラブでもプレイ出来るような内容のものになったのではと思います。当初考えていた感じよりは随分とポップになったので、海外の人にどう聞こえるか分かりませんが…