冒頭の名曲「MOMENT'S NOTICE」のあまりに美しいタッチ、流麗なアレンジに一気に引き込まれます、吉祥寺ジャズ館でも大ヒットとなった現代ピアノトリオの大名盤!リリース当時、すでに新人というわけではなくライヴ・シーンでの活動は結構長いんです。ニコラス・ペイトン(tp)、マイロン・ウォルデン(as)、トム・ハレル(tp)らNYの猛者に鍛えられた技術、フレージングは共に見事の一言。中でも聴く度に驚かされるのは卓越したリズム感覚!フレーズの長短に関わらず自在に時間を操るようなしなやかなプレイはホントに魅力的です。しかもヴィンセント・アーチャー(b)&ケンドリック・スコット(ds)による一聴豪快、実は繊細に絡みつくグルーヴ、まさに現代NY!聴くほどに味わい深く、大きな飛躍を確信させてくれた1枚! (吉祥寺ジャズ館 水野) ---------------------------------------- DISK UNION JAZZ ULTIMATE COLLECTION 2006 ★★★LAが生んだ逸材ピアニスト★★★ ジャズ・ピアノのメインストリームを継承する正統派ピアニストの記念すべき初リーダー作。B・エヴァンス〜H・ハンコックなどから築き上げられてきた様々な要素を吸収したそのスタイルは実に現代的で知性を感じるし、何よりスタイリッシュな響きを聴かせてくれる。J・コルトレーンの名曲M-1は緩急をつけたスリリングな展開が心地いい。美しく叙情的なM-2、タイトル曲M-3は今作の最大の聴き所。抑制の効いた知的フレーズ、アドリブともに抜群で思わず耳に残る。M-4、5、7のオリジナル曲でそのセンスを確信した注目のピアニスト。ヴィンセント・アーシャー(b)、ケンドリック・スコット(ds)の強力リズム陣も縦横無尽で起伏に富んだ柔軟なサポートを披露し、ハイセンスでクオリティの高いトリオ演奏が展開される。あどけないようにも見えるジャケットの容姿からはおよそ想像出来ない恐ろしく可能性を秘めた逸材。 (吉祥寺ジャズ館 桜井毅)
DANNY GRISSETT(p),VICENTE ARCHER(b),KENDRICK SCOTT(ds)
