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76年5月、スタン・ゲッツ・カルテットの未発表音源!! クールで端正、かつパッションも溢れる演奏と、哀愁のバラード・・
同時発売の『ゲッツ/ジルベルト76』と対をなすリリース! ジャケは”WAY OUT WEST”の編集者/イラストレーターの藤岡宇央さん!
76年5月、サンフランシスコの名門クラブ、キーストン・コーナーで行われた、スタン・ゲッツ・カルテットの未発表ライブ音源を収録した貴重なリリース!! 同11日~16 日のライブでは、ボサノバの巨匠ジョアン=ジルベルトを迎えたセットもあり、その音源は『ゲッツ/ジルベルト’76』という形になって同時に作品化(HCD2021)されますが、こちらは、インストのカルテット・ヴァージョン。
70年代のゲッツと言えば、コロムビアの作品群を振り返ればわかるように、実に多彩。リターン・トゥ・フォーエヴァーを結成した直後のチック・コリア&スタンリー・クラーク、そしてトニー・ウィリアムス、アイアート・モレイラといったメンバーをバックにしたクロス・オーヴァーな作品『Captain Journey』あり、スヌーピーのジャケットでもおなじみ、ラロ・シフリンとの共演を記録したライト・タッチな『Children Of The World』あり、ジョアン・ジルベルトと再会したセッション作品『The Best Of Two Worlds』あり、そして、ジミー・ロールズの名曲をタイトルにした『The Peacocks』・・など、その活動は、”混沌”と表現する人もいる多様さを見せます。しかし、後のコペンハーゲン、カフェ・モンマルトルのパフォーマンスしかり、ライブのゲッツは別の顔。ここでのゲッツも”ザ・ジャズ!”と言えるカルテットの演奏。ジョアン・ブラッキーン、クリント・ヒューストン、そして、ビリー・ハートといったトリオをバックにした演奏はいい意味で50年代~のクール・ジャズの美学がみなぎる演奏の数々。そして、ライブならではの熱さが魅力的です。乱れなく、どこを切り取っても歌心が響く美しいフレージングを、時には青白く燃える炎のようなパッションを込める力強さを見せる演奏は、正にライブならではであり、この時期のスタン・ゲッツの姿を生き生きと伝えてくれます。一方、60年代の経験からカルロス・ジョビン&ヴィニシウスによる“O Grande Amor”のようなボサ名曲も一曲披露。サウダージがにじむサックスは、正にゲッツ・ワールドの真骨頂ですし、またホレス・シルヴァーの至高の名バラード”Peace”も、ビブラートをかけた音に哀感が滲んで印象的です。数々のおなじみのスタンダード・ナンバーが奏でられた名ライブ。『ゲッツ/ジルベルト76』と対で聴きたい一作。
メンバー:Stan Getz(tenor saxophone), Joanne Brackeen(piano), Clint Houston(bass), Billy Hart(drums)
STAN GETZ / スタン・ゲッツ
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