ジョニ・ミッチェル・アーカイヴ・シリーズ! アサイラム期後半1976-80年作品の最新リマスター・ボックス! 5CD、6LP!

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2024.05.10

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時代や地域を超えて多くの音楽リスナー、ミュージシャンから変わらぬ共感と尊敬を集めるシンガー・ソング・ライター、ジョニ・ミッチェル。数多のソングライターが愛し、憧れたアーティストである彼女の偉大なるキャリアを、貴重な未発表音源や最新リマスターを施したオフィシャル・アルバム音源とともに俯瞰する壮大なプロジェクトが、この”ジョニ・ミッチェル・アーカイヴ・シリーズ”だ。今回、そのシリーズの最新作となるボックスセット、その名も『THE ASYLUM ALBUMS (1976-1980)』が登場することとなった!


1975年に発表したアルバム『THE HISSING OF SUMMER LAWUNS』のツアーが終わったあと、ジョニ・ミッチェルはニール・ヤングのビーチハウスで静養することとなった。また旅に出たいと思いながらもその行き先が決まっていなかった中、ジョニは思いがけず友人たちとのアメリカを横断するロード・トリップに誘われる。その旅は、1975年から1976年にかけて彼女が行ったロード・トリップの内の一回となり、物理的な旅行と音楽的な探求というそれぞれの意味において、”放浪の旅”を始めた時期の始まりとなったのだ。この変革期に焦点をあてるのが、ジョニ・ミッチェルの新たなアーカイヴ・シリーズ作品となるこの『THE ASYLUM ALBUMS (1976-1980)』なのだ。


このコレクションは、ジョニのリリースの中でも最も大切な作品群と言える1976年の『HEJIRA』や1977年の『DON JUAN'S RECKLESS DAUGHTER』、1979年の『MINGUS』といったスタジオ・アルバムや1980年のライヴ・アルバム『SHADOWS AND LIGHT』を網羅したボックス・セットとなっている。5枚組のCDセットと、6枚組180グラム重量盤アナログ・セットという2形態でのリリースとなるこのボックスに収録されている音源は、著名なオーディオ・エンジニアとしても名高いバーニー・グランドマンがオリジナルのアナログ・マスター・テープから丹念にリマスターを施した最新リマスター音源だ。


今作のジャケット・アートには、ジョニ本人によるオリジナル・ペインティングの一部が使われている。彼女が心の赴くままに描写した抽象的風景画の全貌は、CDとアナログ盤に付属されているインサートに掲載されている。こちらもファンにとってはたまらないジョニからの贈り物となるだろう。また今作には、ジョニの作品の長年のファンであるオスカー俳優、メリル・ストリープがペンをとった心温まるエッセイも掲載されている。そのエッセイで、彼女は次のように語っている。
「ジョニが私たちに与えてくれるのは、音楽と歌詞という単なる作品だけではありません。彼女の芸術性は、私たちに、私たち自身に変化をもたらしてくれ、彼女は、私たちの中にあるものを変化させてくれます。それこそが、アーティストが世界を変える、ということなのです」


この時期のジョニは、ヒット曲を生み出すのではなく、よりアート志向の強い作品を作り出す方向性の転換を大胆に宣言した。批評家が彼女のその方向性の転換に追いつくにはしばらくの時間が必要だったが、彼女の創造性は止まることを知らず、それまでのセッション・ミュージシャンの名手たちではなく、ラリー・カールトンやパット・メセニー(ギター)、マイケル・ブレッカー(サックス)、ハービー・ハンコック(キーボード)、ドン・アライアス(パーカッション)といったジャズの名手たちや、ジャコ・パストリアス(ベース)とウェイン・ショーター(サックス)といったウェザー・リポートのメンバーたちとレコーディングを進めていったのだ。


アルバム『HEJIRA』は、ジョニの芸術的進化を物語る大きな存在感を放っている。ここにはニール・ヤングのハーモニカが響き渡る「Coyote」や「Furry Sings The Blues」など、その抑えられた音色に内省的な歌詞をのせる色褪せることのない魅力を放つ楽曲が収録されている。ジョニはかつて今作に関して「私の他の曲の多くはたくさんの人たちに書いてもらったものだと思うけど、この『HEJIRA』に入っている曲は、私からしか生まれないもののような感じがしている」と語っていた。


続く『DON JUAN'S RECKLESS DAUGHTER』では、オーケストラ・アレンジを施した長尺の楽曲「Paprika Plains」といった曲に代表されるように、その音楽的旅路において多くの実験的な楽曲を聞かせてくれている。この彼女の恐れることなき大胆なアプローチは、例えばビョークが「この大胆不敵なアプローチが私の音楽にインスピレーションを与えた」と評するように、音楽的探求心溢れるアーティストやオーディエンスの心を掴んでいったのだ。


その彼女の音楽的旅路が、続く『MINGUS』を作り出すこととなった。今作ではジャズ界の巨匠、チャールズ・ミンガスとコラボレーションを果たしたのだ。今作が完成する直前にミンガスは高いしてしまったため、彼女は今作をミンガスに捧げる作品と位置付けることにした。4曲がミンガスの手による楽曲で、そこにジョニが歌詞をのせ、アルバムに収録したのだ。アルバムのライナーノーツで、ジョニはアルバム制作の場において初めてジャズに浸った、と語っている。「まるでそれは川のほとりに立って、片足だけ水に浸かって感触を確かめている感じだった。そしたらチャーリーがやってきて、私をその川に突き落としたの、”底に沈むか、もしくはそこで泳いでごらん”っていう感じに…」


今作の最後に収められたのは、2枚組ライヴ・アルバム『SHADOWS AND LIGHT』だ。これはジョニにとって2作目のライヴ・アルバムであり、アサイラム・レコード在籍時最後の作品となった。『MINGUS』のツアーから、1979年9月のサンタバーバラ・ボウルで行われたパフォーマンスを収録したもので、ジョニの名曲である「Woodstock」を除き、「Amelia」や「Dreamland」、「The Dry Cleaner From Des Moines」といった新しい楽曲に焦点を当てた内容となっている。また、60年代に人気を博したヴォーカル・グループ、ザ・パースエイションズも「Shadows and Light」と「Why Do Fools Fall In Love」の2曲に参加している。


【CD 1: HEJIRA】
【CD 2: DON JUAN'S RECKLESS DAUGHTER】
【CD 3: MINGUS】
【CD 4: SHADOWS AND LIGHT - DISC ONE】
【CD 5: SHADOWS AND LIGHT - DISC TWO】


【LP 1: HEJIRA】
【LP 2 & 3: DON JUAN'S RECKLESS DAUGHTER】
【LP 4: MINGUS】
【LP 5 & 6: SHADOWS AND LIGHT】

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