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■アルゼンチン音楽手帖掲載品■
伝統フォルクローレの愛好家にも、コンテンポラリー音楽のファンにも、両方納得させられるシンガーといえば、真っ先にリリアナ・エレーロの名前を挙げたい。“メルセデス・ソーサの後継者”といわれる堂々たるハスキー・ヴォイスと魂溢れる歌い廻しを武器に、アコースティックからエレクトリックまで幅広いサウンドに挑戦し続けている。彼女の作品に外れはないが、最高傑作と断言したいのが本作。フアン・ファルー作の冒頭のタイトル曲から、モダンなアレンジと情感豊かな歌が見事に融合された世界に引き込まれる。ホルヘ・ファンデルモーレの名曲をディエゴ・ロロンのギターのみでしっとり歌う「Oración Del Remanso」や、マリアナ・バラフが歌う一節を挿入し独特の音響処理を施した「Las Golondrinas」など、何度もクライマックスが訪れる。
(栗本 斉:アルゼンチン音楽手帖より)
LILIANA HERRERO / リリアナ・エレーロ