2,547円(税込)
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バラードの名手、下村瑞枝、繊細にして華麗、遠藤征志。
熟練のヴォーカリストとピアニストが織りなす香気に満ちたスタンダード集
下村はまず選曲力で先んじたといえるだろう。そして歌唱力。これらの曲に共通する品の良さに、下村の清潔感がとてもよく似合っている。曲によって悲喜の情も色々だが、非歌にあっては主人公の凛然たる様が、幸福な歌にあっては婉然たる様が浮き彫りとなる。それも清潔感のなかに女の情をにじませながら。この手腕を評価すれば、彼女にはバラードにおける技巧派という側面を加えていい。録音時における下村の集中力もつぶさに見たが、選曲の段階ですでに着地点を思い描けていたのだろう。こうした歌唱に一層の迫真性を付け加えたのが遠藤征志のピアノである。遠藤もまた下村の選曲センスを絶賛していたが、ヴォーカルとピアノのデュオ・アルバム、しかもバラード集だから、遠藤は事前の準備より、録音現場における互いの息遣いを重視する即興性を大切にしてくれた。繊細でピアノフォルテの幅の大きな遠藤と、歌意を十分に咀嚼し、主人公の情感を的確に伝える下村の交感の様。これこそ本作の一番大きな聴きどころである。(小針俊郎/ライナーより抜粋)
【PERSONNEL】
下村瑞枝 Vocal
遠藤征志 Piano
MIZUE SHIMOMURA & SEIJI ENDO / 下村瑞枝 & 遠藤征志