俺のブラックメタル

  • HARDROCK & HEAVYMETAL
  • 注目ニュース

2017.04.20

  • x
  • facebook
  • LINE

  • メール
俺のブラックメタル

ディスクユニオンの各店メタル担当スタッフが独断と偏見でセレクトした輸入盤をご紹介する「俺の○○」シリーズ。
第3弾は"ブラックメタル”!!

※アートワークをクリックすると商品詳細ページに移動いたします。

JACKET
ARTIST:ABYSSIC HATE ARTIST:AKERCOCKE
TITLE:SUICIDAL EMOTION TITLE:THE GOAT OF MENDES
 担当者:北浦和店 / 高橋  担当者:お茶の水ハードロック・ヘヴィメタル館 / 村田
オーストラリアの鬱ブラックAbyssic Hateによる2000年発売の1stフルアルバム。
鳥肌が立つほどに悲壮感が漂うトレモロリフに若干ファストなドラムと嗚咽のようなVoが厭世的でこのうら寂しい世界に絶望して人いる事を表している。寂寥感と虚無感に満ち、静かなる暴力性を秘めたこのアルバムはメランコリーな世界へと導いてくれる。
そんなアルバムである。
 英国ロンドンのアヴァンギャルド・ブラック・メタル。Peaceville Records移籍作となった01年の名盤2ndフル。本作の靄がかったシンセの音色やクリーンヴォイスを配しながらに、激烈なブラストビートや金切声等の排他的手法が活きた音像は、頽廃の本質に内在するエロスを強調するかの暗鬱な音空間を演出し、悪魔、頽廃、色欲、狂気の全てが一つの病的な歪みに凝縮されて行く。00年代初頭当時のメジャー化してきたBMシーンの中で、彼らは画一的なサウンドに嵌ることはなく、アンダーグラウンドの前衛的な技術を用いCELTIC FROST影響下にあるGOTHな独自性を湛えた存在として脚光を浴びた。
ARTIST:ANGMAR ARTIST:ASTRONOID
TITLE:CENOTAPHE (LOST TRACKS) TITLE:AIR
 担当者:渋谷パンク・ヘヴィメタル館 / 牧野  担当者:営業部 / 渡
再生ボタンを押した瞬間の、ザーザーと降る雷雨の音が忘れられない。ALCESTともスプリットをリリース経験のある、フランスのブラック・メタルバンドANGMARの12年3rdアルバム。
6曲43分。ブラック・メタル一筋ではいかないバラエティに富んだ楽曲、時折見せるポストブラック/シューゲイザーな音も聴かせる。サウンドを映し出したような重くどんよりとした空、どこかヴァイキング的な雰囲気を感じざるを得ないアートワークも非常に私のお気に入りだ。そして最後の最後であのBATHORYの大曲「Shores In Flames」のカバーを入れてくるあたりも憎めない。
 USニューハンプシャーのポスト・ブラック・メタル・バンドVANNET(VATTNET VISKAR)のメンバーらによるシューゲイザー/ポスト・メタルの16年1stフル・アルバム。
厳密にはブラック・メタルではないかもしれないが、メンバーつながりということもありピックアップ。ALCEST, DEAFHEAVENらにも通じるポスト・ブラックをベースに更に様々な要素をプラス。儚さと悲哀に満ちた、そして時にドリーミーでポップなメロディとブラストを交えた緩急自在の楽曲、クリーン・メインで分厚く重ねられたコーラスを従え淡く浮遊するVoなどを高次元で融合。前述した先輩バンドたちの影響を取り込みつつ更に一歩先へと進んだような”ポスト・ブラック最終形”とでもいうべきサウンドを聴かせてくれる。
ARTIST:BEHEMOTH ARTIST:BESTIAL WARLUST
TITLE:SVENTEVITH TITLE:BLOOD & VALOUR
 担当者:営業部 / 渡  担当者:営業部 / 田村
今やポーランドを代表するメタル・バンドとしてブラックメタルの枠を超えた活動をしているBEHEMOTHの95年発表の記念すべき1stフル。
悲哀を感じさせるトレモロ・リフや高音でシャウトするVoなど、デスメタル寄りの硬派なサウンドを構築する現在とは異なる完全なブラック・メタル・サウンド。アコギやKeyによる適度にメロディアスな要素もありつつも、良くも悪くも地下臭さの抜け切らないノイジーなサウンドと荒涼とした空気感が全編に充満しており、デビュー作にしてブラック・メタル・バンドとしての確固たる立ち位置を示したような名作。こちらはボーナス・トラック1曲を追加した05年METAL MINDからの再発盤。
 90年にオーストラリアで結成された伝説のサタニック・デス/ブラック・メタルCORPSE MOLESTATIONから発展し、これまたウォー・ブラック・メタルのパイオニアの一つとして今や伝説と化しているBESTIAL WARLUSTの95年2ndフルにしてラスト作となったアルバム。Rawなサウンド・プロダクションで、猛烈にサタニックかつ邪悪な空気をまき散らしながらブラスト全開のストロング・スタイルで猛進するサウンドを提示した1stアルバムをさらに昇華させたレイジングな作品。伝わる強烈な背徳感と禍々しさはブラック・メタルでも特異なものでありグライドコアやハードコアに近い感覚ではあったが、カナダのBLASPHEMY、フィンランドのBEHERITと並んで後のベスチャルなブラック・メタルに与えた影響は計り知れない。
ARTIST:BETHLEHEM ARTIST:BLACK ANVIL
TITLE:DARK METAL TITLE:HAIL DEATH
 担当者:お茶の水ハードロック・ヘヴィメタル館 / 村田  担当者:渋谷パンク・ヘヴィメタル館 / 松本
ドイツ北部出身のダーク/ブラック・メタル。94年1stフル。この作品で今生を哀れむようなグロウルを聴かせるのは、後にSHININGの最も陰鬱な作品となった1stに迎えられるAndreas Classen氏。バンドの音像からSILENCERとの共通項を見出されがちなバンドだが、先のSHININGへ与えた影響も見逃せない。次作のコンセプトは『総ての自殺者に捧げられるアルバム』なるもの。やはり言うまでもなくDSBM全盛のルーツを感じさせる作品だが、当時はMY DYING BRIDE等のリスナーにも好まれていた。ごく一部ではCELTIC FROSTを継承する全ての暗黒音楽のスタンダードという見解も。 ブラック・メタルの土壌のないニューヨークにおいて、07年に突如出現したBLACK ANVILの3rd。このバンドの何が凄いかって、ニューヨーク・ハードコア・バンドKILL YOUR IDOLSの2人が主要メンバーということ。しかもドラムのラルフはCAUSE FOR ALARMのメンバーだったんだから興奮しないわけないし、ライヴでの実力は一連のブラック・メタル勢の中でも群を抜く存在であるのはいうまでもありません。当然ニューヨーク・ハードコア・シーンの中核にいたバンドのメンバーだけあって、他のハードコア・バンドとの交流も深く、サウンド的にも現在のメタルもハードコアも入り乱れて混沌としたシーンを象徴しているかのようです。
ARTIST:BLACK ANVIL ARTIST:BLASPHEMY
TITLE:TRIUMVIRATE TITLE:FALLEN ANGEL OF DOOM....
 担当者:渋谷パンク・ヘヴィメタル館 / 松本  担当者:柏店 / 内澤
ニューヨーク・ハードコア(NYHC)バンドから支持され、北欧ブラック・メタルとは違ったスタンスで活動をするニューヨーク出身のブラック・メタル・バンドの2nd。中心メンバーがKILL YOUR IDOLSというNYHCの中でも絶大な人気を誇るバンドのメンバーで、故にライヴでの実力は折り紙付。しかもドラムのラルフはKILL YOUR IDOLS以上にNYHC史に残る名バンド、CAUSE FOR ALARMのメンバーなのだからニューヨーカー達が放っておくわけありません。もちろん真正なブラック・メタル・ファンも頷けるサウンドなので、他シーンから生まれ、ある意味異形ともいえるブラック・メタルを味わってください。  数多くのメタル・バンドやパンク・バンドを産出したカナダはバンクーバーのウォー・ブラック・メタルバンド、「BLASPHEMY」の90年発1stアルバム!
Rawでプリミティブ…なんて言葉じゃちょっと足りないくらい、再生機器が壊れているのかな?と疑ってしまうような劣悪な音質、そしてボロボロに崩壊寸前の演奏力が返って醸し出す邪悪さ・強烈さ!イカツイメンバー写真とあいまって、バンド名にもある通り「冒頭」なんて言葉がぴったりな雰囲気の1枚!メタルリスナーのみならず、ハードコア・パンクのリスナーにも全力でおすすめしたい内容です!
ARTIST:BURZUM ARTIST:CATAMENIA
TITLE:HVIS LYSET TAR OSS TITLE:ESKHATA
 担当者:営業部 / 田村  担当者:営業部 / 渡
Varg VikernesがMAYHEMに加入していた時期にレコーディングされ、その後Euronymousを殺害し逮捕された後の93年にリリースされた3rdフル・アルバム。Vargの狂気しか感じさせない壮絶な絶叫やジリジリと精神を削ぎ落すかの様なリフは本作でも鈍い光を放っているが、シンセやキーボードを大胆に導入することにより不気味さに拍車が掛かった。本作による病的とも言える強烈な絶望感と厭世観に満ち溢れたサウンドは後のディプレッシヴ・ブラック・メタルへ多大なる影響を与えることとなる。さらにラストの延々とシンセが鳴り響き不穏な美しさを体現させる曲は後続のアンビエント・ブラック・メタルへの布石となったと言える。あらゆる意味でブラック・メタルのヤバさを体現させ衝撃を与えた作品。  毎回狼のジャケットで作品のリリースを続けているフィンランドのメロディック・ブラック・メタル・バンドの02年発表の4thフル。活動を続けていくにあたってブラック・メタルというよりはメロディック・デスへとシフトしていくが、初期はコープス・ペイントを施したルックスとDIMMU BORGIRとも比較されたシンフォニックでメロディックなブラック・メタルを展開。フィンランドらしい叙情メロを奏でるG、美しくも冷たいKey、暴虐性溢れるリズムなどバンドの武器を明確にしつつ高いレベルと押し上げた作品であり、メロディック・ブラックとして充実は本作と次作で最高潮へと達するといっても過言ではない。個人的にもメロディック・デス→メロディック・ブラックへと食指を広げる時期にピンときた思い出深い一枚。
ARTIST:COLDWORLD ARTIST:CRADLE OF FILTH
TITLE:AUTUMM TITLE:CRUELTY AND THE BEAST
 担当者:渋谷パンク・ヘヴィメタル館 / 牧野  担当者:営業部 / 渡
ここまで儚く、美しさを兼ね備えたディプレッシヴ・ブラック・メタルはこの作品が一番である。ドイツのGeorg Börnerによるソロプロジェクト、ディプレッシヴ・アトモスフェリック・ブラック・メタルCOLDWORLDの8年ぶりの新作「Autumn」(2016)。名作1st「MELANCHOLIE2」は、それはもうそれはもうCOLDWORLDという名の通り、極寒の吹雪を想像できるほどのアルバムだったが、8年の時を経て、COLDWORLDはまた新たな別世界を作り出したと言える。女性コーラスを起用した2曲目の「Void」は今作のテーマを大きく表した1曲で、Gnorgの身を切り裂くような叫びと女性コーラスの見事な二重奏に思わず鳥肌が立ってしまった。悲壮感の中にもどこか人間的な憂いを感じさせる仕上がりとなり、新たなCOLDWORLDの一面が確実に見えた作品。  初心者向けというかブラックの入り口としては最適の作品のひとつ。
今や完全にジャンルの境界線を飛び越えたエクストリーム・メタル・バンドとして確固たる地位を築いているCRADLE OF FILTH。「血の伯爵夫人」の異名で知られる16世紀の実在の人物・エリザベート・バートリーをコンセプトとした98年発表の傑作3rdフル。
Dani Filthの唯一無二の絶叫Voとコンセプトに忠実も言える荘厳でオカルティックな世界感、狂気と暴虐性に満ち溢れ、かつコンセプト作ならではの場面展開に秀でた名作中の名作。DaniのVo次第という部分はあれど、ブラック・メタル入門としてもまずは押えるべき作品のひとつであり、個人的にもブラック・メタル聴き始めの頃にオススメされた思い出深い作品。
ARTIST:DARKTHRONE ARTIST:DAWN
TITLE:TRANSILVENIAN HUNGER TITLE:NAER SOLEN GAR NIPER FOR EVOGHER
 担当者:営業部 / 田村  担当者:新宿ヘヴィメタル館 / 石村
PeacevilleよりアルバムをリリースしノルウェーではCADAVERと並んでデス・メタルのトップ・クラスに位置していたDARKTHRONE。しかしMAYHEMに感化され彼等はブラック・メタルへと転向。本作は転向後3作目となった94年発表4thフル・アルバム。2ndから本作までは所謂Peaceville 3部作としてブラック・メタル史上最も重要な作品として有名で、後のプリミティヴ・ブラック・メタルと言われる多くの作品はこの3部作を基準とされることが多い。強烈な地下臭さに覆われた体質はまったく変わっていないが、凍てついたメロディがより強調され若干音の厚みが増した作品。3部作の中では最も取っ付き易い作品でもある。インタビュー映像収録ボーナス・ディスク付きデジタル・リマスター再発盤。  スウェーデンのメロディック・ブラック・メタル・バンドの’94年1stフル・アルバム。単音のトレモロ・リフでメロディを辿り、THE MOANINGや1st~2nd期のNAGLFAR等と同様に初期型メロディック・デス・メタルとブラック・メタルの中間を行く、まさにこの時代ならではの空気を感じさせる作品。本作のドラムはFALCONERのKarsten Larsson。’14年リマスター再発盤。本作の方向性をより深化させた2ndや、本作以前にリリースされたデモやEPを収録し、初期スウェディッシュ・デスとしても楽しめるコンピレーション盤も同時再発されているので是非チェックして頂きたい。
ARTIST:DEIPHAGO ARTIST:DIMMU BORGIR
TITLE:INTO THE EYE OF SATAN TITLE:STORMBLAST
 担当者:新宿ヘヴィメタル館 / 大塚  担当者:渋谷パンク・ヘヴィメタル館 / 牧野
89年に結成されたベテランのシンガポールはマニラ出身で現在コスタリカに拠点を置く3人組による15年4thアルバム。猛烈にサタニックで爆発力で突き進む強力でブラッケンドな激RAWサウンドが売りで、ダイハードなメタルヘッドにも人気のバンド。作品をリリースごとにサウンド・プロダクションに整合感が出てきているものの、そこはやはりガンベルトにラフなコープスペイントの彼らの持ち味が存分に暴れまわっている仕上がり!BLASPHEMYやREVENGEと言ったWARブラックにも通じるオブスキュア&前のめり&雪崩れ込みの暴走爆走ブラスティングな姿勢が最高です。 ノルウェーのシンフォニック・ブラック・メタル・バンドDIMMU BORGIR 、1996年発の2ndをリ・レコーディングし、未発表曲とDVDを追加して再発した作品。DIMMU BORGIRの作品で何が一番好きかと聞かれたら、真っ先にこちらの作品が頭に浮かぶ。無機質感さえ感じてしまう淡々と進行するサウンドにメランコリーさを加えるのは、これでもか!というほどメロディアスなキーボード。この後、バンドはまた違った方向性を提示していくのだが、DIMMU BORGIRを聴くならば、コチラを初めに聴くことをお勧めしたい。全編がノルウェー語で歌われているのも非常に良い。
ARTIST:DISSECTION ARTIST:DODHEIMSGARD
TITLE:STORM OF THE LIGHT'S BANE TITLE:KRONET TIL KONGE
 担当者:営業部 / 渡  担当者:営業部 / 田村
メロディック・デス/ブラックを語るのであれば決して外すことはできない超名盤。スウェーデンが誇る名バンドDISSECTIONが95年に発表した2ndフル・アルバム。
圧倒的に突進力と暴虐性、凍りつくような冷たい旋律と叙情美を奇跡的なバランスで共存した圧倒的な完成度を誇る一枚。ブラック・メタル・シーンのみならず後続のメロディック・デス勢にも多大なる影響を与えた一枚であり、「俺のブラック」というよりは完全に「みんなのブラック」といっても良い一家に一枚は置いておくべき作品。
本再発盤は、デモやEP収録曲などたっぷり15曲収録のボーナスCDがプラス。オリジナル盤を持っていても押えておきたい作品。
 VED BUENS ENDEのメンバーでもあったVicotnikと後にZYKLON-BやTHONSにも参加するAldrahnらによって結成され、SATYRICONやGORGOROTHと並んで90年代中盤に第2世代として台頭してきたノルウェイジャン・ブラック・メタル。後にインダストリアルの要素を取り入れエクスペリメンタルなスタイルへと変遷していくが、DARKTHRONEのFenrizがベースで全面参加し95年にリリースされた本作は、寒々しいメロディを滲ませるリフや退廃的暗黒さを充満させる空気感こそ90’Sノルウェイジャン・ブラック・メタルの要素を的確に捉えた作品である。所謂90’Sの一級代表作ではないので00年代以降のブラック・メタル・ファンで本作をスルしているファンは意外に多いのでは?94年の未発表リハーサル音源収録したボーナス・ディスク付き再発盤。
ARTIST:GORGOROTH ARTIST:I SHALT BECOME
TITLE:PENTAGRAM TITLE:IN THE FALLING SNOW
 担当者:営業部 / 田村  担当者:北浦和店 / 高橋
BURZUMやEMPEROR、IMMORTALと言った90年代初頭に始動された第一世代に続き92年に結成されたノルウェイジャン・ブラック・メタルの94年発表1stフル・アルバム。今でもバンドを率いるInfernusとヴォーカリストのHatしかメンバーがおらず、直前に脱退したドラムのGoatとEMPERORのSamothがベースで参加。Rawな質感のサウンド・プロダクションに冷えきったメロディを奏でるリフ、そしてドカドカと疾走するドラム、そしてHatの一線を越えた強烈絶叫ヴォイスによる90’Sブラック・メタルの凄味と邪悪さが詰まった作品。フランスのカルト的レーベルEmbassy Productionsからリリースされ当時は極端に流通が悪かったが、その後何度も再発盤が各所からリリースされている。つまりそれだけ重要な作品であるということです。  US鬱ブラックi shalt becameの1stアルバム『wanderings』から10年の沈黙を破り復活をした2ndアルバム。
1st同様に薄暗く陰鬱なBurzumリスペクトなサウンドを聴かしてくれる。前作から10年振りのアルバムとなるが精錬された廃墟的世界観を全身に感じられ空虚で肌寒いトレモロリフがこの陰気くさい世界感を一層に引き立てている。
荒涼とした気持ちを持ち続ける鬱ブラックファンには是非とも聞いて欲しい一枚。
 
ARTIST:I SHALT BECOME ARTIST:IMPALED NAZARENE
TITLE:WANDERINGS TITLE:UGRA-KARMA
 担当者:北浦和店 / 高橋  担当者:営業部 / 田村
カルト的人気があるUS鬱ブラックI Shalt Becomeの98年に発売された1stアルバム。
Burzum直系の陰鬱なデプレシッブサウンドとまるで苦悩を絞り出すかのようなVoの咽び泣く叫びを聞いて欲しい。徹底して気が滅入るサウンドを作り上げ虚無へと誘うこのアルバムは間違いなく鬱ブラックメタルファンの指折りの一枚となるであろう。Happy DaysやLeviathanがこのアルバムに影響を受けた事が分かる。
上記2バンドが好きな鬱ブラックメタルファンには手に取ってもらいたい一枚だ。
 フィンランド・シーンの代表格、そして自ら「インダストリアル・サイバー・パンク・サド・メタル」と称したブラック・メタル・バンド。Taneli Jarva(SENTENCED~THE BLACK LEAGUE)とJarno Anttilaが正式メンバーとなって93年にリリースされたのが本作2ndフル・アルバム。バックに薄らとキーボードを流しながらやたらハイテンション&ハイパーに突き進む彼等のスタイルを昇華させ確立させる一方で、背徳的な空気感もより強まった作品。当時は彼等の音をNuclear Metalと冠されてもいたが、なかなか言い得て妙な表現。そんなサウンドである。ボーナス・トラックに93年7”EP『SATANIC MASOWHORE』収録2曲(うち1曲がEXTREME NOISE TERRORのカヴァー)が追加されジャケットも新装されて99年にOsmoseからリリースされた再発盤。
ARTIST:INFERNAL WAR ARTIST:JUDAS ISCARIOT
TITLE:AXIOM TITLE:THE COLD EARTH SLEPT BELOW
 担当者:新宿ヘヴィメタル館 / 大塚  担当者:渋谷パンク・ヘヴィメタル館 / 松本
ポーランド産ブルータル・ファスト・ブラックによる15年3rdアルバム。MARDUKやFUNERAL MISTを凌駕するかの様な異様なテンションで炸裂しまくる激速サウンドで、殆ど北斗百烈拳状態の強力ブラストと切れ味抜群のリフワークにSLAYERのKerry Kingばりの強引に弾きまくるギターソロで、とにかく終始聴き手を圧倒する破壊的なサウンドで話題となった彼らですが、今作は今まで以上にミドルパートが増え緩急ついた展開が特徴ですが、とりあえず速さ命の彼らがミドルやると、何だかよけい恐さが引き立つというか、より殺傷力が高まった気が・・ とにかくシーン随一の攻撃力がハンパなです。  メリカにはブラック・メタルのシーンはなく、このJUDAS ISCARIOTは90年代初頭からSPAZZ等のパワー・ヴァイオレンスなどのハードコア勢と絡んでライヴを行なっていました。なぜハードコア勢の好まれていたのかというと、悪魔主義や幻想世界、宗教観などがなく、ハードコアに通ずるノイジー且つプリミティヴなサウンドがその要因かと思います。プリミティヴ・ブラックの先駆者としてブラッケンド・ハードコアISKRAやWOLVE IN THE THRONE ROOMといったSOUTHERN LORD系のブラック・メタルに受け継がれていますので、上記バンドに興味ある人は是非この1stアルバムを聴いてみてください。
ARTIST:MAKE A CHANGE... KILL YOURSELF ARTIST:MARDUK
TITLE:FRI TITLE:PANZER DIVISION MARDUK
 担当者:北浦和店 / 高橋  担当者:渋谷パンク・ヘヴィメタル館 / 松本
デンマークの鬱ブラックメタルバンドのMake a Change... Kill Yourselfの3rdアルバム。
Happy DaysやLife Loverなどの生きる事を皮肉ったバンド名もあるが、この『Make a Change... Kill Yourself』と言う鬱ブラックメタルに直球なバンド名も素晴らしい。
また、首をつっているジャケットが悲観主義な彼らを表していて、鬱蒼としたトレモロリフに狂人のようなVoの絶叫が木霊するこの病的なアルバムの世界観を引き立てている。
鬱ブラックファンだけでなく暗い音楽を好む人にお勧めしたい最高のアルバムだ。
 当時のノルウェーのブラックメタルはデスメタルやハードコア勢に対してアンチな姿勢を持っていたように思いますが、その点MARDUKはWOLFPACK(現WOLFBRIGADE)などのスウェディッシュ・ハードコアの中核勢との交流も深く、他からの音楽性を吸収したことでブラックメタルの可能性を広げたと思います。その極めつけが本作で、グラインドコアと比較しても何ら劣らない激速ブラック・サウンドに打ちのめされた人も多く、ハードコア勢も対バンし本作の布石にもなった前作『HEAVEN SHALL BURN』リリース時の日本公演したときもその凄まじさには圧巻でした。ブラック・メタル史に残る大名盤です。
ARTIST:MAYHEM ARTIST:MORK GRYNING
TITLE:LIVE IN LEIPZIG TITLE:TUSEN AR HAR GATT
 担当者:営業部 / 田村  担当者:新宿ヘヴィメタル館 / 石村
80年代にVENOMや初期SODOMフォロワーの域に過ぎなかったMAYHEMへ、Dead(Vo)とHellhammer(Ds)が加入。Euronymous(G)とNecrobutcher(B)の4人により90年に行われたいくつかのライヴによりヨーロッパのアンダーグラウンド・シーンに地殻変動が起きた。コープス・ペイントを施しDeadの自傷しまくって血塗れになるこの時期のライヴは多大なる衝撃を与え多くのブラック・メタル・バンドを生み出したのである。そしてこの4人による唯一のオフィシャル・リリースだったのが90年11月26日のドイツ/ライプツィヒでのライヴを収録したのが本作。そしてブラック・メタル誕生の瞬間が克明に刻まれた実録作である。ボーナス・ディスクには同じツアー時90年11月ドイツ/ツァイツでのライヴ音源を収録。  スウェーデンのブラック・メタル・バンドの’95年1stフル・アルバム。オリジナル盤はスウェーデンの名門No Fashion Recordsから。ブラック・メタル然とした邪悪さとアグレッションを維持しつつも、甘過ぎないメロディとキーボードを絡めたドラマティックな展開で聴かせるスウェディッシュ・ブラック・メタルの名作のひとつ。本作を作ったのが二人のティーンエイジャーだったというのは驚き。'16年リマスター再発盤。
ARTIST:MORTIFERA ARTIST:MUTIILATION
TITLE:MALEDICTIIH TITLE:BLACK MILLENIUM (GRIMLY REBORN)
 担当者:渋谷パンク・ヘヴィメタル館 / 牧野  担当者:営業部 / 田村
フレンチ・ブラック・メタルに魅力を感じる理由の一つにその「気品さ」というものがある。お国柄なのか、感性なのか、メロディにフランス特有の気品さが溢れ出ているからだ。フレンチ・ディプレッシヴ・ブラック・メタルMortiferaの2nd「Maledictiih」。元々はNoktuとALCESTのNeigeとのユニットだったが、Neigeが脱退しDiabolusとのユニットとしての作品。フレンチ産ブラック・メタル特有の雰囲気やサウンドが生々しく感じられ、気品のあるメロディアスなリフにNoktuのがなり声のボーカルが乗るという非常に絶妙なバランス。ブラック・メタルの中でもメロディアス系が好きならば完全にハマる。曲によっては疾走する曲、完全に聴かせる曲、ミドルテンポな曲、とハッキリと分かれておりその構成も非常に面白い。ディプレッシヴ・ブラック・メタルが好きなら聴かない理由は無いと言い切れる作品  フランスのアンダーグラウンドBMサークルLes Legions Noiresの中心人物でもあったMeyhna'chによるブラック・メタルの01年3rdフル・アルバム。明らかに精神状態が正常でないと思わせるMeyhna'chの病的な絶叫や鬱感覚が滲み出すメロディを伴ったリフ、地下室に篭りっきりのような密閉された様な音創りと、悲愴的精神感覚と閉鎖的陰の感覚が渦巻く鬱な絶望感をジワジワと滲み出させるサウンドで、フレンチ・ブラック・メタルの最暗部を象った作品。この病みきった世界は他の追随を許さぬほどと言っても過言ではない。ジャケットでの車椅子に座って完全に生きる術を失ったかの様なMeyhna’chの表情が全てを物語っていると言えるでしょう。プリミティヴとかディプレッシヴとかの形容を超えた危険な臭いを感じさせる作品。
ARTIST:NECROMANTIA  ARTIST:OBSEQUIAE
TITLE:CROSSING THE FIERY PATH TITLE:ARIA OF VERNAL TOMBS
 担当者:お茶の水ハードロック・ヘヴィメタル館 / 村田  担当者:新宿ヘヴィメタル館 / 石村
ギリシャのオカルト・ブラック・メタル。93年にOsmose Productionsからリリースされた1stフル。ギリシャではROTTING CHRISTやVARATHRONと並ぶ古豪。前二者のように背徳的/冒涜的/イーヴルな危険思想よりも、音を聴かせる姿勢を尊重していたように思える。本盤のシアトリカルな展開を持つ密教的なブラック・メタル・サウンドは、第一世代の系譜に上手く準えられつつ、8弦ベースや、タブラという打楽器奏者やピアノ/キーボード奏者を擁することにより、より混沌としたアプローチを可能にしていた。怪しいブラック・メタルを基調に、デス/ドゥーム/正統派の要素が渾然として展開される名作。  アメリカのメロディック・ブラック・メタル・バンドの’15年2ndフル・アルバム。表現力豊かなツインギターによって紡がれるエピックな中世的世界観を信条とするオリジナリティに溢れたサウンド。アプローチこそ違えど、徹底された中世的世界観はモナコ公国の独りブラック・レジェンドGODKILLERの名作EP「THE REBIRTH OF THE MIDDLE AGES」を彷彿とさせる部分もある。ブラック・メタル特有の邪悪さや劣悪なサウンド・プロダクションとは無縁で、リリース当初Pitchforkにも取り上げられていたこともあり、アトモスフェリック/ポスト・ブラック・メタルを好むリスナーにもお勧め。
ARTIST:OLD SILVER KEY ARTIST:PROFANATICA
TITLE:TALES OF WANDWERINGS TITLE:THE CURLING FLAME OF BLASPHEMY
 担当者:営業部 / 渡  担当者:新宿ヘヴィメタル館 / 大塚
ウクライナのペイガン・ブラックDRUDKHのメンバーを中心としたバンドが11年に発表した(17年現在)唯一の作品。
メンバーの大半がDRUDKHとかぶっていますが最大の注目点は、ALCESTを率いる天才・Neigeが全面参加している点。NeigeのクリーンVoオンリーの歌唱と儚くう美しいメロディを武器に、緩急豊かな楽曲を聴かせる一枚で、サウンド的にもDRUDKHよりもALCESTとの共通項が多い。トレモロ・リフや疾走パートこそあれ、前述したようにクリーンVoオンリーかつ時にポップと言える楽曲が多いのでいわゆる凶暴性や暴虐性などとは無縁だし、そもそもALCESTやLES DISCRESTSとの違いという意味でも?が出る部分ではあるが、それらのもつ独特の世界に浸れるのであれば本策もまた名盤。
 90年に結成され、数年間の活動停止時期はあるものの現在も活動を続け、初期INCANTATIONのメンバーでHAVOHEJ(こちらも最高)でも活動するPaul Ledney(Ds,Vo)らによるUSカルト・ブラックの4thアルバム。この原始的で暴力的な音の塊が渦巻く暗黒世界の極みというか、決してスピード感だけでは成し得ない禍々しい空気と五臓六腑に響き渡る圧力が相変わらず半端なく、これ以上塗りつぶせない黒々しさにヤラれます。後期CELTIC FROST~TRIPTYKONな重さに背徳的で不穏なブルータリティ、アンダーグラウンド感覚も忘れていない仕上がりで期待を裏切らない1枚と言えます。素晴らしい!
ARTIST:RAVENCULT ARTIST:ROOT 
TITLE:FORCE OF PROFANATION TITLE:ZJEVENI
 担当者:新宿ヘヴィメタル館 / 大塚  担当者:お茶の水ハードロック・ヘヴィメタル館 / 村田
ギリシャのブラック・スラッシュ、Hells HeadbangersからMetal Bladeへ移籍しての16年3rdアルバム。DARKTHRONE影響下な1stからWATAINのような北欧ブラック(だいぶスラッシュ度高め)になったスタイルをより押し進めたような強力なサウンドに仕上がっていて、思わずガッツポーズ!かなり重厚でズッシリとメジャー感もただよう音質ながら、アンダーグラウンド感覚も忘れてないところもポイントで、ブラストも効果的に入れつつ2ビートでドカドカ突っ走り、曲展開も素晴らしく一気にアルバムを聴ける力作!スラッシャーにもオススメです。  チェコ怪奇骨董幻想箱の世界からそのまま表れたような、ミステリアスな世界観は超強烈。90年にリリースされたROOTの1stは、訝しげなカルト・ホラー映画を彩る名シーンのアンソロジーのような作品です。後の作品でメタリックな質感を伴うカルト・ブラック・メタルを上手にやり始めるのですが、1stの本作には当時の他バンドのように過激な凄みは感じられません。さあそこのあなたも再生ボタンを押して、Big Bossのこの上なく訝しげな語りののち、仄暗く漂い始めるアルペジオにひとたび耳を傾ければ、きっと目下に拡がり出し気づくことでしょう、怪音楽の深淵を瞥見させる静謐なドラマの叙情味溢れる気配たちに。
ARTIST:SACRAMENTUM ARTIST:SADISTIK EXEKUTION
TITLE:FAR AWAY FROM THE SUN TITLE:THE MAGUS
 担当者:新宿ヘヴィメタル館 / 石村  担当者:お茶の水ハードロック・ヘヴィメタル館 / 村田
スウェーデンのメロディック・ブラック・メタル・バンドの’95年1stフル・アルバム。名作犇めくNo Fashion Recordsのカタログの中でも最良のリリースのひとつ。VINTERLAND等と同様に、ブラック・メタル然とした邪悪さは希薄で、北欧特有の物悲しいメロディで紡がれるひたすらにドラマティックなブラック・メタル叙事詩。6曲目「Cries From a Restless Soul」はスウェディッシュ・ブラック屈指の名曲。Necrolordによるジャケットも秀逸。2ndでは所謂メロディック・デスに、3rdではデスラッシュへとリリース毎にサウンドを変えていく。’13年リマスター 再発盤。  豪州ブラック・メタルの世界にCORPSE MOLESTATIONなるBESTIAL WARLUSTの前身バンドより早く登場し、その世界の発展に貢献したウォー・ベスチャル・ブラック/デス・メタル。91年1stフル・アルバム。本盤はOsmose Productionsからのリマスター再発盤。内実は、当時イーヴルなスラッシュから更に過激化の一途を辿った奴らの迸る焦燥感の到達点かの最高にイカしたブラック/デス・メタルであり、世界的に見てもBLASPHEMYやORDER FROM CHAOSの1stに比肩する名盤。しかしながら、この病的な感性の内に何処か可愛げを見出すことのできる感覚は唯一無二である。
ARTIST:SARCOFAGO ARTIST:SILENCER
TITLE:INRI TITLE:DEATH-PIERCE ME
 担当者:柏店 / 内澤  担当者:柏店 / 内澤
大名盤!様々なデス/ブラック・メタルバンドに多大な影響を与え続けるSepulturaの初代ヴォーカルが中心となって結成されたブラジルのアンチクライスト・スラッシュ・メタル「SARCOFAGO」の87年作1stアルバム!
いかつい雰囲気のルックス、邪悪で不敬なアートワークがその全てを物語ってい
ます!劣悪な音質に追い立てれる焦燥感、衝動最優先で演奏力は二の次、勢いと怒りだ
けで噛み付くように突っ走る内容はブラック・メタルとしてはもちろん、ハードコア・パンクの要素を強く感じずにはいられません!MAYHEM、BURZUMと行った基本の名盤たちと一緒に手にとって頂きたい1枚です!
 スウェーデンはストックホルムのデプレッシヴ・ブラック・メタルバンド「SILENCER」の01年発唯一作!
綺麗だけど無慈悲に打ち付けるような冷たくて暗い、そしてひたすら悲しい音に狂気を孕みすぎている悲鳴や嗚咽に近いボーカルが絡み合い、更にボーカルNattramn氏の様々な逸話、危険すぎるビジュアルも相まって強烈な内容!聴き続けているうちに深い悲しみに包まれる…というより狂気のトビラを開いてしまったような不安な感覚に引きずり込まれること間違い無し!デプレッシヴ・ブラック・メタルとはなんぞや?と尋ねられたときに、自信を持って上げたい1枚です!
ARTIST:SORHIN ARTIST:STALAGGH
TITLE:I DET GLIMRANDE MORKRET DJUP TITLE:PROJEKT TERROR
 担当者:新宿ヘヴィメタル館 / 石村  担当者:営業部 / 田村
スウェーデンのメロディック・ブラック・メタル・バンドの’97年1stフル・アルバム。良質なメロディと、緩急自在な展開でドラマティックに聴かせるというDISSECTIONが開拓したメロディック・ブラック・メタルに忠実な作風だが、本作自体もシーンの重要作としてクラシックの1枚に数えられている。DISSECTIONやDARK FUNERALといったビッグネームの影に隠れがちではあるものの、確かなクオリティを持ったバンドであることは間違いないのでスウェディッシュ・ブラック・ファンは是非とも押さえておきたい1枚。  真偽の程は定かではないが、実際に母親を殺害した精神病患者を参加させたということで極地的に話題となったオランダ/ベルギーの正体不明ブラック・メタルの04年2ndフル・アルバム。精神病患者云々を別にしても一線どころかニ線も三線も超えたヤバさがサウンドに宿っている。嗚咽を含んだ叫び声や何かを吐き出しそうな気味の悪い声、恐怖心しか感じさせないノイズ音塊による拷問サウンドで、ノイズやインダストリアルに起因するところが大きいかもしれないが、ディプレッシヴなブラック・メタルにも内包する人間的感情が一切なく、ひたすら無慈悲にガリガリと精神を削り落としていく様な恐怖心に支配されたサウンド。正常な精神状態を保って聴くのが困難なので要注意。
ARTIST:STORMLORD ARTIST:TAAKE
TITLE:HESPERIA TITLE:NATTESTID
 担当者:営業部 / 渡  担当者:北浦和店 / 高橋
初期の作品は日本盤もリリースされ一部マニアから「ブラック版RHAPSODY」などと言われてもいたイタリアのシンフォニック/エピック・ブラック・メタル・バンド。(17年時点での)最新フル・アルバムとなっている13年発表の5thフル。当然のように日本盤はスルーされてます。今は亡きサウンドホリックから日本盤もリリースされていた初期2作品同様、RPG的な世界感にどっぷりとつかったエピカルでファンタジックなサウンドながらも全体的にはドラマ性と重厚感に比重が置かれたような作風。初期のようなバカバカしいまでの大仰さやクサみはないものの、よりスケール感たっぷり。どこがブラック?と聴かれると正直、答えに困るのは否めないがこういうのもカテゴライズされるあたりにジャンルの間口の広さを感じさせる。  Hoest氏によるノルウェーブラックメタルの至宝Taakeの1stアルバム。プリミティブブラックメタルを好む人なら絶対に外せない一枚だ。
キリスト教への鬱積を爆発させるが如く疾走するノイジーなギターとメロディアスで土着的プリミティブなTAAKE独自のサウンドが心に染み込む。
TAAKEの神髄とも言えるリスナーを陶酔させる仄暗く甘美なサウンドとこれぞノルウェイジャンブラックメタルだと言わんばかりの暴虐的でファスト展開は最高だ。
ARTIST:ULVER ARTIST:VOMITCHAPEL
TITLE:PRATTENS MADRIGAL TITLE:THE HOUSE OF THE LORD DESPOILED
 担当者:営業部 / 田村  担当者:新宿ヘヴィメタル館 / 大塚
90’Sノルウェー・シーンが生んだ最大の奇才Kristoffer Rygg(Garm)によるノン・ジャンル・ユニット。ULVERがブラック・メタルであったことは過去2作品しかないが、そのうち97年にリリースされた3rdフル・アルバムである本作は究極のプリミティヴ・ブラック・メタルを提示した奇跡の存在として異彩を放つ。純然たるフォーク作品であった前作から一転しての反動もあるが、劣悪Raw過ぎる音質感とノイズに塗れたリフ、猛烈な狂気を孕み不気味なGarmのヴォーカル、その中で陰鬱なメロディを漂わせつつも異様な殺気がビシビシと伝わるサウンドで、当時のブラック・メタル・ファン全てを驚愕させたと言える逸品。そしてこの究極作を最後にULVERはトリップ・ホップやエレクトロニカへと変遷していく。  ENCOFFINATIONやFATHER DEFOULEDもやってるGhoat(このバンドではJBS)による背徳の暗黒デス/ブラック。12年の1stアルバムですが、普通の人が聞いたら劣悪なデモ音源?と言いそうな激RAWでジリジリモコモコの極悪サウンド・プロダクションの中、何やっているのか分からないプリミティヴな演奏ながら異常にカッコいい1枚。BLASPHEMYやPROFANATICA、INCANTATION、HELLHAMMERなど初期のデスメタルなブラックメタルの邪悪なエッセンスだけ抽出してアウトプットしたキャッチーさの微塵もない地下サウンドで、拷問地獄の上級者向けながら素晴らしく最高。
ARTIST:WINDIR ARTIST:XASTHUR
TITLE:1184 TITLE:SUBLIMINAL GENOCIDE
 担当者:営業部 / 渡  担当者:渋谷パンク・ヘヴィメタル館 / 牧野
04年に惜しくも亡くなってしまったValfar率いるノルウェーのメロディック・ブラック/ヴァイキング・メタル・バンドが01年に発表した3rdフル。現在のフォーク系のバンドのような笛や民族楽器の導入こそないものの全編を通じて北欧トラッド・メロディを奏でるトレモロ・リフとつめたいシンセをバックに爆走していく超高品質なメロディック・ブラックを展開。特にメロディのもつ叙情性の高さは特筆ものであり、普段ブラックを聴かないクサメロ派のリスナーにも充分にアピールするほどのもの。ちなみに現在は残されたメンバーを中心にValfarの意志を引き継ぎVREIDとして活動中。  人間の極限の絶望。そんな言葉で表したくなるのがUSのMalefic氏による独りブラック・メタルXASTHURのHydra Headに移籍後の5thフル・アルバム。トレモロを主体に展開していくサウンド、絶叫、嗚咽、聴いているうちに精神が侵され、気が狂いそうになる。こちらをぶっ通しで深夜に独り真っ暗な部屋で聴くことを勧めはしないが、それでも聴いてしまうのがブラック・メタル。ちなみに「Trauma will always linger」が一番のオススメ曲。体験したことのない絶望感を味わって欲しい。