TK傘下、Boldといえばフリー・ソウル名盤であるレイド・インクやファンク名盤F.A.T.など、いずれも超レア/高品質なアルバム数枚のみのリリースで知られるカルト・レーベル。そのBo ld最後の砦であり、TKレコードにとっても最深部の秘宝というべきレアかつ芳醇なソウル・アルバムがこの『A Fine Instrument』です。歌うはジャケットのポートレイトも味わい深い若きシンガー、リオン・デボウズ。このアルバム以外では80年代にリリースした12インチしか知られていないという謎深きアーティストですが、ワイルドさの中にしなやかさと憂いを含んだその歌声を聴けばこのアルバムが熟練のソウル・ファンから愛される理由がお分かりいただけるでしょう。
マイアミの海風のような高揚感溢れるモダン・ダンサーが満載
ホーンとストリングスで鮮やかに彩られたファンキィ・ソウル「B lack Stallion」でアルバムはスタート。マイアミらしいラテン・スパイスがきいたM4「Gett in' With My Baby」は浮き立つような高揚感としなやかなメロウネスがたまらないモダン・ダンサー。フリー・ソウル、レア・グルーヴ・ファンも魅了する最高に心地よい潮風のようなナンバーです。もっと人気なのが英Expans ionから12インチ・リイシューもされたM5「Every Fe lla’s Girl」。こちらもスウィートな情感とダンサブルな躍動感が流麗なメロディを支える最高のモダン・ダンサー。“ラララ…”コーラスがやさしいM8「It's True It's You」も美メロとナイーヴな歌唱が郷愁をかき立てるリッチなメロウ・ダンサーです。チョコレート・クレイのクレイ・クロッパーや名アレンジャー、マイク・ルイスをはじめ、TKが誇る制作陣がバックアップ。アップからバラードまで聴きどころ多い傑作です。
