60年代の英国音楽には欠かせないロンドンの伝説的ライヴ会場「イール・パイ・アイランド」ストーリー3CD!
1830年に開業したこのホテルは1920-30年代からティーダンスが開催され、1950-60年代にはジャズ、ブルース、そして初期のロック・アーティストにとって重要な拠点へと変貌を遂げていきます。ローリング・ストーンズ、フー、エリック・クラプトン、デヴィッド・ボウイといったアーティストが続々と出演し伝説のライヴ会場となっていきました。しかし閉館後に不法占拠者やヒッピーのコミューンがこの場所を利用し、1971年には謎の火災により建物は完全に焼失してしまいます。
本作はそんなイール・パイ・アイランド・ホテルで繰り広げられたロックンロールや生々しいR&B、ソウル、サイケデリック、プログレッシヴ・ロックに至るまで、英国の音楽がリアルタイムで進化していく様子をまとめた3CDボックスです。
全80曲にわたる本作は、英国のロックとポップが、アメリカからの影響をいかに吸収し、変容させ、そしてそれを超えていったかを描いています。1960年代初頭の英国のロックンロールやジョー・ミーク・サウンドのアーティストたち、1963年あたりのヤードバーズ、シリル・デイヴィス、ダウンライナーズ・セクト、ロング・ジョン・ボールドリー、ジョン・メイオールといったアーティストがクラブに持ち込んだシカゴ・ブルースやR&B、グラハム・ボンドやブライアン・オーガーはジャズやハモンド・オルガンを取り入れ、ジミー・ジェームス&ザ・ヴァガボンズ、ハービー・ゴインズ、ザ・マイク・コットン・サウンド、ザ・アラン・バウン・セットは、アメリカン・ソウルに影響を受けたサウンドを鳴らし、クリームの「Cat’s Squirrel」はフリークビートやサイケデリアがジャンルの境界線を溶かし始め、ブルースがよりヘヴィな方向へと変化していく様子を示しました。67年から68年ころ、ファウンデーションズはソウルを英国のメインストリーム・ポップに導入し、サヴォイ・ブラウン、チキン・シャック、テン・イヤーズ・アフターはブルースをよりヘヴィなロックへと押し進め、フェアポート・コンヴェンションはフォーク・ロックの道を切り拓いていきます。一方ブロッサム・トーズ、アーサー・ブラウン、ジュライ、ジェイド・ヘキサグラムはサイケデリック・アンダーグラウンドに参入し、ザ・ナイスとコロシアムはジャズ、ブルース、クラシックの要素を台頭しつつあったプログレッシヴ・ロックの時代へと持ち込んでいきます。
もちろんこのホテルがこれらの変化のすべてを生み出したわけではありません。しかし英国のオーディエンスにとって、そんなサウンドの変化が起きている真っ最中にそれを耳にすることができる特別な場所の一つであったことは間違いありません。ここに収録された80曲は、この驚くべき会場の歴史であると同時に、英国のロックとポップが自らの可能性を探求していった過程を凝縮した歴史でもあります。
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