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シンガー・ソングライターやスワンプ・ロックのファンには説明不要のボビー・ウイットロック。一般的にはロック史上に残る名曲となった「いとしのレイラ」への参加で有名だろう。一方、ビートルズやジョージ・ハリスンのファンにとってはジョージの初ソロ・アルバムにして名盤の誉れ高い「オール・シングス・マスト・パス」に参加したことで知られているのかも知れない。
今回ご紹介するボビー・ウイットロックの2009年新作「ビンテージ」はボビーの未発表音源集であり、本人のレコーディングとしては未発表曲だったものばかりを集めたまさに「ビンテージ」音源集である。
気になるその内容に触れる前にまずはボビー・ウイットロックの足跡に関して記しておきたい。バイオグラフィーによれば生まれは米国、テネシー州のメンフィス。音楽人生のキャリアは早くも10代の頃、伝説のSTAX/VOLT(スタックス/ヴォルト)レーベルのスタックス・スタジオとセッション・ピアニストとして契約することからスタートしている。
デラニー&ボニー・ブラムレット夫妻がメンフィスのクラブで演奏しているボビーをチェックして気に入り、夫妻のバンドにキーボード奏者として加入することをボビーに要請したことからボビーのキャリアはメジャーへと一気に浮上していく。そのバンドとはデラニー&ボニー&フレンズで、このバンドを通じてエリック・クラプトンと出会い、後に伝説のデレク&ザ・ドミノス結成へとつながっていく。
1970年にリリースされたエリック・クラプトンのソロ・デビュー・アルバムにはボビーを含むデラニー&ボニー&フレンズのメンバーが参加し、アーシーなスワンプ・ロックをプレイしている。その後エリック・クラプトンとボビーはジョージ・ハリスンのソロ・デビュー・アルバム「オール・シングス・マスト・パス」への参加を通じてデレク&ザ・ドミノスを結成し、世界的な大ヒットを放つこととなる名曲「いとしのレイラ」を含むデビュー・アルバム「LAYLA AND OTHER ASSORTED LOVE SONGS」をリリース。その後の活躍はご存知の通り。
新作「ビンテージ」に収録されている全10曲は他のアーティストにカバーされたことのある数曲を含む全曲がボビー自身によって過去にレコーディングされながらもお蔵入りとなっていたものばかりを集めた秘蔵音源集。レコーディングにはスティーヴ・クロッパー(元ブッカーT&MG’S)、レジー・ヤング、ジム・ケルトナー、ジム・ホーン、ディー・マレイ他、豪華メンバーが多数参加。
「ジス・タイム」はトム・ジョーンズが、「フーズ・ビーン・スリーピング・イン・マイ・ベッド」はグレン・フライ(イーグルス)がカバーした楽曲。6曲目の「マイ・オールド・パル」はエリック・クラプトンのことを唄った曲。美しいバラッド「ドント・パス・アス・バイ」は亡くなったボビーの父親を慈しんで作られた曲。スワンプ・ロックのファンには「サザン・ジェントルマン」と「ジス・タイム」が特にお薦め。
全体を通して言えることはやはり楽曲の良さと男らしい骨太でアーシーなボーカルの魅力に尽きると私は思う。もちろん、キーボードやピアノの演奏能力の素晴らしさも秀逸である。
シンガー・ソングライター、スワンプ・ロックのファンはもちろん、70年代ロックの好きな方に是非、聞いていただきたい珠玉の1枚。
*ボーナス・トラックを2曲追加収録。「Dorothy & John」は1999年録音の未発表音源。
BOBBY WHITLOCK / ボビー・ウィットロック