3,000円(税込)
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NHK電子音楽スタジオの技術者である佐藤茂が手掛けた電子音楽作品を収録。
1高橋悠治「フォノジェーヌ」
電子音と12人の奏者による室内楽のための作品。両者は少しずつ重なったり、交代したりしてあらわれるが、確率的な方法により、予想できない結果が重視される。
2松平頼暁「トランジェント`64」
6チャンネルの正弦波発振器の電源を投入したときに、真空管が加熱されるまでに生ずる過渡的な発振音や、破損しかけたスピーカーに正弦波クラスターを瞬時にかけた時の過渡音など、いわゆるトランジェントな音を素材にして制作された。
3柴田南雄「電子音のためのインプロビゼイション」
物理的に存在しない低調波で構成した音色(基本波に対して1/2、1/3、1/4、......という低調波構成の音)を使うことによって、不自然で不安定な音感覚を表現した作品。
4黛 敏郎「マルチピアノのためのカンパノロジー」
現実の鐘の音でなく、ピアノを使い、電子的に作った鐘の音でカンパノロジーを作るという発想からの作品。また、ピアノ音に対して楽器全体の響き音を除去するために、弦の振動を直接電気信号に変換する装置「マルチ・ストリングス・ピックアップ」を開発。ピアノの音を直接変調し、リアルタイムでカンパノロジーを演奏した。
5湯浅譲二「プロジェクション・エセムプラスティック」
固定周波数のフィルタでカットされたホワイトノイズを、可変速度テープレコーダーによる音程変化の原理を利用して所定の周波数帯域に移動、周波数変化、時間軸の変化が生ずるため、複雑な計算により作られた。
6湯浅譲二「ホワイトノイズによる《イコン》」
オリジナル可変周波数フィルタを使用。この2作品ではホワイトノイズという大きな音の塊から、フィルタという道具を使って音を切り出す2通りの実験を行っている。
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