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ファイ&ハイデルベルク響による、 ハイドン交響曲全集シリーズ第15集 「帝国」&第54番 【演奏】 ハイデルベルク交響楽団 トーマス・ファイ(指揮) 【録音】 2010年1月18-21日 ハイデルベルク=ドッセンハイム,マルティン・ルター・ハウス(デジタル・セッション) ファイ率いる手兵ハイデルベルク響によるハイド ン交響曲全集シリーズ第15集。「帝国」というニックネームを持つ第53番は成立が複雑なことで知られ、フィナーレにも異版が存在することでも有名。じっ さい、このアルバムでもカプリッチョ・モデラートのほかに、プレストの異版を別トラックで収録しています。ティンパニがド派手に活躍する第1楽章、第3楽 章そしてフィナーレ。対して、どこか第94番「驚愕」を思わせ、ユーモラスな変奏曲スタイルのアンダンテとのコントラストも鮮やかです。ファイの旺盛な表 現意欲は、その時々にハイドンによって刻印された各ナンバーの個性を浮き彫りにしようという真摯で明確な目的意識に根ざしたものですが、ショッキングな内 容が毎度“やりすぎでは?”との声があるのも事実。そのいっぽうで、ある意味、ファイの覚悟にも似た思いきりのよさが、音楽に無類の爽快感を生み出してい るのは確かなようで、ファイの演奏を通してハイドンの魅力に開眼された方も少なくないようにおもわれます。ほかに、編成上、フルートとトランペットがあら たに追加されたことがポイントの第54番を収録。いっそう響きに拡がりが出て華やいだ感じがするところも、メリハリの効いたこうした演奏だからこそよくわ かります。 |
THOMAS FEY / トーマス・ファイ
ドイツの指揮者