商品詳細情報

【国内盤】

イェスー久々の新録音源は何と全1曲約50分! ジャスティン・K・ブロードリック本人自ら「スーパー・ヘヴィ、そしてオーガニックだ」と語るこの曲は、エレガントなヘヴィネスをたたえ、静から動まで自在に行き来する文字通り壮大なスケールのサウンドスケープだ。

【仕様】
・日本盤のみ完全未発表音源を収録したボーナス・ディスク付2枚組仕様

本作はイェスーとして約1年振りの新録音源であり、待望久しい単独作品である。「専用スタジオの機材を大幅にアップグレイドしたことにより、出せる音の幅が広がった」とのことで、作曲に対してこれまでに増してモチベーションが上がったという。となれば自ずとエンヴィとのスプリット作のようなダブ・ステップに感化された実験性がさらに前面に出て、従来のイェスー・サウンドの特徴である洗練に洗練を重ねたメロディアスなヘヴィロックと相俟っていくのかと思いきや、才人は全く別の方向を見ていたようだ。 

 ジャスティン本人自らが「スーパー・ヘヴィ、そしてオーガニックだ」と語るように、今までのイェスーとは大きく異なるサウンドを体感できる"インフィニティ"は約50分に及ぶ長尺の曲で、その構成は大まかにいって2つのパートに分かれている。前半はプログラミングされたビートと自身のギター/ベース/ヴォーカルをフィーチュア、後半部分は生ドラムを導入、いずれにしても全パートを独力でレコーディングしていることに変わりはない。

エレガントなサウンドに絡むギターは確かにこれまでよりもエッジが利きアグレッシヴな印象だ。これは本作ではアンプ・シミュレーターではなく久々にマーシャル・ギター・アンプを使ってレコーディングした成果であろう。また自ら率いた伝説のゴッドフレッシュ解散以来、ある種意識的に封印してきたと思しき孤独と怒りに満ちた叫びを今ここで解き放っている意図は何なのか? ひとついえるのは、イェスー独特の甘美なメロディとのコントラストは抜群だ。

後半部分で聴けるドローン的アプローチに驚きつつも、1stアルバム('04発表)収録曲"タイアード・オブ・ミー"で早々に披露していただけに不自然さは感じない。しかし本作のそのアプローチはより広義のロック的、もしくはアコースティックにすら近いミニマルさである。イェスーの持つエレガントさはさらに幅広く、大きなものとして新たな方向性をもたらした。

あくまでも極端さを追求して不穏な音を聴かせるグレイマシーン、洗練の極みで微妙なニュアンスを巧みに聴かせ分けるイェスー。この1ヶ月間に相次いでリリースする音源の振れ幅とコントラストは、真の才人のみが描き切れるもの。両者の音の奥深さは筆舌に尽くし難く、追い付き消化するのに時間を必要とする。