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オランダはアムステルダムを拠点に活躍する作曲家/ピアニスト、Matteo Myderwyk(マッテオ・ミデルヴィーク)。
まるで映画のようにモノクロからカラーへと音色を変え、シネマティックな音像を作り上げる彼が、約2年振りとなるニュー・アルバムを完成。過ぎ去った時間へ想いを寄せる最新作『A BRIEF NOSTALGIA』リリース。
■ オランダはアムステルダムを拠点に活躍する作曲家/ピアニスト、Matteo Myderwyk(マッテオ・ミデルヴィーク)。その彼が、前作から約2年ぶりとなるニュー・アルバムをリリースする。
■ 最新作『A BRIEF NOSTALGIA』は、様々なピアノ、ハルモニウム、オルガン、教会オルガン、シンセサイザー、ドラムコンピューターのために作曲した12の楽曲を収録したアルバムとなる。本作でミデルヴィークは、過去を悲しげに振り返るのではなく、時間が過ぎ去ったことを意識している。その中で彼は、子供時代に演奏した教会のオルガンや、思春期に聴いたポップ・ソング、そして今は消えてしまった枠にはまらない自由について思いを寄せている。楽曲の中で彼はまるで映画のようにモノクロからカラーへと音色を変え、またこのコンセプトは、彼が休暇を過ごした楽しい想い出を多く持つベルギーのアルデンヌ地方で撮影された、3曲のミュージック・ビデオにも反映されている。
■ アルバムのオープニング・トラック「Eternity」もまた、映画からインスピーレションを受けた曲だ。その映画とは、孤独と永遠の平和への憧れをテーマとしたギリシャのテオ・アンゲロプロス監督による1998年の『Eternity and a Day』だという。曲の中でミデルヴィークは、何度も繰り返すことによって作り出される無限のハーモニーの輪によって無限性、目的もなくどこかにいることを許された時の無時間性を聴くものに想起させる。また「Nostalgia」ではまるでオルガンとピアノが決闘を繰り広げているように聴こえ、「Legacy」は、オランダのミニマル作曲家、シメオン・テン・ホルトと彼の著名な作品「Canto Ostinato」へのオマージュである優雅なピアノ曲である。そしてパーカッシブな「Long Lost Friend」はミデルヴィーク曰く“最も暗いキー”となる変ホ短調で作られている他、若くして亡くなった姪へ捧げられたソロ・ピアノ曲「Sarabande for Julia」はアルバムの中で最もパーソナルな作品だと言えるだろう。
■ そして8曲目に位置する「Benediction」は、間奏曲のように、アルバム後半へと橋渡しをする役割を果たしていると言えるだろう。この曲はアルバムで唯一、ピアノが排除されており、オルガンとシンセサイザーが強い相互関係を見せている。そして続く「Homard」は、テーマが互いに鏡像のように重なり合う構成のテンポの速いナンバーだ。またアルバムの最後を締めくくる「Poeta Minora」は、自分の作品が常に他人の陰に隠れてしまうことを自覚しながらも、それでも書き続ける詩人のことをテーマにした、めずらしい5/8小説の曲で、彼は誰もが自分の中の「Poëta minora」から始めるべきであり、周囲の意見を気にしすぎてはいけないという強い信念を表現しているという。マッテオ・ミデルヴィークの作り出す作品もまた、詩人の陰の仕事のように、主流ではないかもしれないが、確実に本物である。
MATTEO MYDERWYK / マッテオ・ミデルヴィーク