ミンガス・ビッグ・バンド、ヴァンガード・オーケストラ他、伝統を誇るビッグ・バンドに参加。ダウンビート誌のライジング・スター・トランペットにも選ばれ、2000年代初頭から、リーダー・グループでも活躍し、頭角を現したジェレミー・ペルトの最新作。High Note Recordsではこれで5作目になりますが、ここ数年でペルトは大きく方向転換。Max Jazz, Criss Crossといったレーベルの延長線上で活躍してきたレギュラー・クインテットを解消し、新グループを結成。新たな展開 を見せています。本作は、基本的に、前作の『Water and Earth』の延長線上に位置し、一歩 推し進めた作品。ローズやウーリッツァといったエレピをフィーチャーし、プログラミングされたリズムもミックスしたセクステットは、以前のアコースティックなストレート・アヘッド路線から様変わり。エレクトリックな色彩で、世界はエレクトロ・マイルス。60年代中盤の新主流派的な所から70年代に突入していく、カオスな時代の音を彷彿とさせます。女性とは思えないショーターを彷彿させるシュールな演奏を聴かせるサックスのロキシー・クロスを始め、ジョー・ザヴィヌル、チック・コリア、ハービー・ハンコックらの世界を彷彿とさせるエレピ。ある時は、ハンコックの<バタフライ>を彷彿とさせる一面もあり、黄金のクインテットにエレピを導入したような演奏M5あり、さて、この先のペルトが歩む道はいかに?
Jeremy Pelt(tp), Roxy Coss(ss, ts, bcl), David Bryant(key), Frank LoCrasto(Fender Rhodes), Chris Smith(b), Dana Hawkins(ds, drum programming) Fabiana Masili & Milton Suggs(vo), Brandee Younger(harp), Jennifer Shaw(cello)
