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(LP) エディー・パルミエリの伝説的な楽団=ラ・ペルフェクタの主要トロンボーン奏者として名をあげ、現在ではスパニッシュ・ハーレム・オーケストラを実質取り仕切る存在にまで成長。2019年にはグラミー賞も獲得するなど、NYのジャズ/ラテン・シーンきっての実力派として知られるダグ・ビーバーズが待望となる新作をリリース!
タイトルからもわかる通り、本作『LUNA』は2021年にリリースされた『SOL』と対照をなす作品だ。事の発端は2021年に慈善財団の助成金を受けチェンバー・ミュージック・アメリカがダグ・ビーバースに組曲の制作を依頼。ビーバーズはスペインのビーチ沿いの観光地シッチェスに滞在しながら、本作『LUNA』の前半部分を書き上げたのだという。海がもたらすメロディックなインスピレーション、そしてベネズエラ出身の注目ジャズピアニスト=ガブリエル・チャカルヒのモダンなハーモニーに支えられ、ビーバーズ印ともいえるホーンアンサンブルはさらに豊かな表情を獲得している。とりわけ先行公開された「Multicolores (feat. Jeremy Bosch)」は、ニューヨリカン・サルサドゥーラのエッセンスを組曲的に再構築した聴きごたえ抜群の一曲といえるだろう。
一方、ビーバーズが「第2章」と呼ぶアルバムの後半はNYでの多忙な生活の合間を縫って制作された。ベーシストのルケス・カーティス、パーカッショニストのルイシート・キンテーロ、ロビー・アミーンといったお馴染みの面々に加え、マックス・シーゲル、コンラッド・ハーウェグ、フランシスコ・トーレス+自身というダブル・トロンバンガ編成でジャヴァンの「Flor de Lis」をカバーするといった試みもあり。
無限の感性と壮大な野心。サルサ、ラテンジャズのエッセンスに根差したチャレンジがそこかしこに見て取れる、ダグ・ビーバーズの新たな傑作ともいえる一枚がここに誕生した。
DOUG BEAVERS / ダグ・ビーバーズ
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