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「東京ジャズシーンの間口の広さはジャズメン一人一人のなかにある。都市としての東京を考えるときと同じように、さまざまなすばらしいもののなか私は一人の新しいミュージシャンを発見した。むろん工藤雄一は新人とは言えない。長い演奏キャリアがあるし、レコーディングもしている。でも彼は私にとって新しい人だった。彼に会えて、その音楽を聞けて、ほんとうによかった。まず言えるのは、心から湧き出る情感こもる音楽であることだ。それが技術的に巧みであるばかりでなく、よく考え抜かれ、しかも豪華なまでに美しい。あるときはキース・ジャレットのリリシズムを、またあるときはミシェル・カミロのドライブを彷彿とさせる(音楽家は誰かに似ていると言われるのを嫌がるのは承知のうえで敢えてそう言わせてもらった)。だがもちろん彼の音楽は彼自身の音がする。工藤は自分の書いた作品を演奏し、しかもその作品がみなすばらしい。彼ほど幅広い感情とアプローチの引き出しを持つピアニストはそう多くないが、それを的確に、しかもどんぴしゃの場所で使える人はもっと少ない。こうして出来上がるのが、作曲された音楽と即興、繊細さと力、荒々しさと優しさ、リリシズムと野放図の絶妙にバランスのとれた音楽である。人間の息吹から生まれる自然なテンポと、芸術的・技巧的バランス感覚とがうまく組み合わさった彼の演奏は、けして急がず、けして弾きすぎず、無数の魔法のドアを開け放ってくれる。(中略)ピアニスト工藤雄一はぜひ聴いてほしい人である。彼は森の人ではないし、もちろん眠っているわけでもない。マイケル・プロンコ(訳/朝倉和子)*ライナーより抜粋」
工藤雄一(p),東保光(b),橋本学(ds)
2006年1月30, 31日録音
YUICHI KUDO / 工藤雄一