[発売] ブラジルの次世代を担う才能、ブルーナ・メンデスの2NDアルバム。

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2020.07.23

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フーベルやシルヴァに続くブラジルの次世代を担う才能、ブルーナ・メンデスの2NDアルバム。 チルでメロウ、フューチャリスティックなブラジリアンR&Bの未来を示す大傑作。




この『Corpo Possível』に聴けるサウンドのユニークさは、ブルーナ・メンデス自身によるデザインが基本となっていると思われる。というのも、それは何よりも「声」をベースにしているからだ。
冒頭の「Avisa」や「Corpo Miragem」は象徴的なトラックだろう。楽器の音数は少なく、空間を生かしたエレクトロ・サウンドだが、ヴォーカルの重ね方、ステレオ配置、リヴァーブやディレイなどのエフェクトなどが曲中でめまぐるしく変化していく。チョップされ、ピッチを変えたヴォーカルが飛び込んで来たり、楽器パートがヴォコーダー処理されていたりもする。だが、それらが決してトリッキーには響かないのは、シンガー・ソングライターであるブルーナ・メンデスが歌唱表現の拡大のために選び取った手法だからだろう。エレクトロニクスとともに歌う、あるいはエレクトロニクスに歌わせる、ということに彼女は極めて意識的なアーティストに思われる ――― (ライナーノーツより一部抜粋)


現在28歳、ブラジルの内陸都市ゴイアニア出身の女性シンガーソングライター、ブルーナ・メンデス。もともとは作詞家だったというが、それを音楽として表現するために 2008 年に音楽キャリアをスタートし、地元ゴイアニアだけでなくリオでいくつかのバンドに参加しキャリアを積み上げていった。 2014年にデビュー EP を、2016 年にアルバムをリリースしブラジル国内で高い評価を獲得、満を持してリリースされる最新作が本作 『CORPO POSSIVEL』 だ。

前作を発表してからエレクトロニックなサウンドに傾倒していったというブルーナ。エレクトロニックなビートのレイヤーに各楽器が発する音の断片、浮遊感のある歌声といったそれぞれの要素が「CORPO POSSIVEL = 体の可能性」をテーマに躍動。その確固たる世界観、心地よくも推進力にあふれたサウンドは、優れた才能を多く送り出す現代ブラジルにおいても際立っていると言えるだろう。

ゲストとしてフィーチャアされた「ブラジルのジ・インターネット」ことトゥヨとともに、間違いなくこれからのブラジル音楽を担うであろう若き才能ブルーナ・メンデス。フーベルやシルヴァのファンはもちろん、トロ・イ・モワなどのシンセポップ・ファン、H.E.R.、ケイトラナダといったメロウ R&B ファンにまで推薦したい一枚だ。

■ 日本盤ボーナストラックあり
■ 歌詞対訳 : 花田勝暁
■ ライナーノーツ : 高橋健太郎