2022.01.01 ラテン・ブラジル・ワールドミュージック 特集・お知らせ

ディスクユニオンが選ぶ年間ベスト・アルバム大賞 2021 AFRO / MIDDLE EAST / EUROPE / ASIA <新録>

※全ジャンルまとめはこちら!
※年末ぎりぎりまでアイテムを追加してまいります。

AFRO / MIDDLE EAST / EUROPE / ASIA etc. <新録>


[総評]
リリース告知から年末にレコードが到着するまで、今年の話題を掻っ攫ったブルーノ・ペルナーダスが一位に! 配信では昨年リリースながら多様な音楽を独自の手法で透明感あふれる音楽へと昇華してみせたミゲル・ヒロシもCD/LPと好セールスを記録しました。ゲーム音楽から「天空の城ラピュタ」をも彷彿させるファンタジー溢れるサウンドデザインで圧巻の世界を描いてみせた李化迪、アントニオ・ロウレイロのサポートを得てベラルーシの伝統音楽を革新してみせたカテリナ・ルドコヴァとヨーロッパものが多くランクイン。ブラジルのレオナルド・マルケスらとも共振するようなアルバムをリリースしたロエイ・ヘルモンなど、世界中から登場するグッド・ミュージックを来年も紹介していけたらと思っています。 (新宿ラテンブラジル館 / 営業部 江利川)


▼TOP 10 ※上から 1位→10位


AFRICA / MIDDLE EAST

*** BUYER'S RECOMMEND ***

〇 BALLAKE SISSOKO / DJOUROU
チャーリー・パーカー、セロニアス・モンク、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーンなどなど、その楽器を代表する名手たちは最初のワンフレーズ(マイルスなら一音)ですぐにその人だとわかる「声」を持っています。最近リリースが続いているバラケ・シソコのコラにも同じような「声」があることに気付いたのは、近所のスタバで立て続けに流れていたアフリカ音楽特集のおかげでした。何がどう違うのかは具体的には言えませんが、何曲聴いてもバラケ・シソコ「でない」ことだけはわかりました。上手い下手の次元でもない気がするので「声」としか言いようがないのですが、名手の「声」=「いい音」というのは間違いなさそうです。その日のアーモンドミルクラテのほろ苦さは、アーモンドミルクのせいではなさそうです。
※いつも選曲眼抜群の優秀なスタバ関係者のみなさん、そして万が一あの日のプレイリストにバラケ・シソコの名前を発見した方へ。日本には「言わぬが花」ということわざがあります。(吉祥寺ジャズ館 笹山)

DAVID WALTERS & VINCENT SEGAL & BALLAKE SISSOKO & ROGER RASPAIL / NOCTURNE
「これは一生聴ける!!」という当社オンラインページのコメントの出だしはちょっと笑えますが、ただのウケ狙いではありません。ギター、チェロ、コラという三種の神器ならぬ弦器が溶け合う様にうっとりしている間に、いつの間にか日は暮れ、三種のビールが空き缶と化していました。特にアフリカ由来のコラ。ギターのようにもハープのようにも聴こえる多面性が素晴らしく、弓引きのチェロとの絡み合いでは一瞬でクラシックに味変します。バラケ・シソコとヴァンサン・セガールのデュオ作がお好きな方は、ぜひこちらも試してみてください。少なくとも半日は聴けます!! (吉祥寺ジャズ館 笹山)

FEMI KUTI & MADE KUTI / LEGACY +
フェラ・クティの息子、フェミ・クティとついにこの作品でデビューを果たしたフェミ・クティの息子マデ・クティによる2021年発表のアフロビート大傑作。代々引き継がれてきたアフロビートを、現代のソウル、ファンクなど様々な音楽と融合、拡張したアフロビートの新たな境地ともいえる作品です。現代のトラックにクティ家のお家芸ともいえるホーン、歌声が乗っており、伝統的なような、今まで聞いたことないような素晴らしい出来栄えです。アフロビート好きはもちろん、トム・ミッシュ周辺が好きな方にもお勧めできる大傑作です! (神保町店 坂本)

〇 イマニー / ヴゥードゥー・チェロ
チェロが打楽器にもなることはタンゴなどで知っていましたが、8人のチェロ奏者によるバックバンドは前代未聞。ですが、そう言われなければ気付かないかもしれません。飛べないブタはただのブタらしいですが、弾かないチェロはチェロよりチェロ。指ではじけばベース、箱を叩けばパーカッション、ネックを両手で握って叩きつければピート・タウンゼントにもなれそうなほど使い方は無限大。Mステでは聴けなかったタトゥーのあの曲も入っているほどごった煮の選曲も、八人の侍による斬ったはったの引き立て役にはぴったりです。楽しそうな録音風景が目に浮かぶ一枚ですね。 (吉祥寺ジャズ館 笹山)

〇 MONOSWEZI / SHANU
厳寒の北欧はなぜか灼熱のアフロビートと相性が良いらしく、近年でもデンマークのKUTIMANGOESやフィンランドのHELSINKI COTONOU ENSEMBLEなどが踊れるアフロジャズアルバムをリリースしています。そんな北欧アフロ勢とは一線を画すノルウェー代表MONOSWEZIの特徴は、ジンバブエ出身のホープ・マシケが奏でるおもちゃのような親指ピアノとアフロパーカッションが織りなす村っぽさ。とジャズとの幸福な出会いです。いや、でした。なんと新作は打ち込み上等なダンスチューンが盛り沢山 (特に4、5曲目が素晴らしい)。かつ、3拍子や7拍子などリズムアプローチはより多彩に。新しい楽器やサウンドに挑戦しつつも、ホープ・マシケの歌声と親指の魔力は健在です。マーベル・スタジオのみなさん、もう決まっているのかもしれませんが、『ブラック・パンサー』の続編のエンドロールにこんな曲はいかがでしょうか。 (吉祥寺ジャズ館 笹山)

〇 NAISSAM JALAL / QUEST OF THE INVISIBLE
ゴリゴリのUSモダンジャズ党員にはとかくゲテモノ扱いされがちな楽器の代表がフルートですが、ジャズの中心地がニューヨークだけではなくなった昨今、ジャズアルバムのフルート使用率はクラリネットを超え、アルトサックスに迫る勢いです。特にブラジル、イスラエルあたりがジャズフルートの(文字通りの)メッカと言えますが、本作のリーダー、ナイサム・ジャラルはフランス在住のシリア移民。以前この欄で紹介したスペインのアントニオ・リサナ同様「歌って吹ける」第三のジャズ組の才媛です。メンバーもピアノがブラジル人、ベースがアルメニア人、ドラムスがアメリカ人と大陸選抜の様相で、それぞれのスパイスが混ざり合ってラテンアラビアンとでも言うべき複雑な味わいの逸品に仕上がっています。おうちで出来るレトルトアルバムに食傷気味の方にこそおすすめの、胃の底からじわじわくる一枚です。あ二枚組です。(吉祥寺ジャズ館 笹山)

〇 NATIK AWAYEZ / MANBARANI
シンガー・ソングライターでウード奏者であるナティク・アワイェズのデビュー作。リズミカルなパーカッションが心地よく踊れる曲が多いのですが、何といっても歌が素晴らしく、沁みわたります。内戦の影響を受け多数の国に渡り住み、様々な活動を通してそこで見たものや感じたことが声に乗っているように感じます。現在、カイロを拠点に活動している彼の本作はカイロの名プレイヤー達と録音し作り上げたようです。ルーツであるアラブ音楽に様々な要素が絡み合い、この作品でしか聴けない特別な音楽になっています。 (渋谷ジャズ/レアグルーヴ館 柴田)

〇 TENO AFRIKA / AMAPIANO SELECTIONS
進化をし続ける南アフリカのハウスシーンの中でも、近年世界的に認知され始めたアマピアノ。ディープハウスやベース・ミュージックからの影響がうかがえますが、独特なリズムや特有のメロウなピアノなどこのジャンルでしか味わえない魅力があります。テノ・アフリカは21歳と、とても若いプロデューサーなのですがその年齢からは想像できないほど洗練され、渋い作品になっています。アッパー過ぎないが、どこかプリミティブでハードな部分もあるこの作品、アマピアノにとどまらず南アフリカのハウスミュージックを聴き始めたい方にも大推薦できる内容です。ぜひ! (神保町店 坂本)

〇 TOUMANI DIABATE & LONDON SYMPHONY ORCHESTRA / KOROLEN
チャーリー・パーカーやクリフォード・ブラウンなど、ジャズ界にも管楽器の名手にオーケストラを従えた「~ウィズ・ストリングス」での録音という栄誉(予算)を与える伝統がありますが、本作は言わば「ストリング・ウィズ・ストリングス」。しかも前者は世界的なコラの名手トゥマニ・ジャバテ、後者は言わずと知れたロンドン交響楽団。こういう企画は往々にして異種格闘技戦を連想しがちですが、見た目よりも整数的なアフリカ音楽と見た目どおりに整数的なクラシックのブレンドはむしろコーヒーのそれに近く、どちらのリスナーもよりコクが増した味わい深い響きを堪能できると思います。早く起きた朝、目覚めの一杯ならぬ一枚に、ぜひ。 (吉祥寺ジャズ館 笹山)


EUROPE / ASIA etc.

*** BUYER'S RECOMMEND ***

〇 ANDREW WASYLYK / BALGAY HILL: MORNING IN MAGNOLIA
昨年度の年間ベスト・アルバムにも選出された英国はスコットランドの音楽家アンドリュー・ワシュリク最新作。ジャズ、サウンドトラック、室内楽、ライブラリー・ミュージックなどの幅広い音楽性を感じさせ、匿名性とオリジナリティを併せ持つ稀有なインストゥルメンタル作品に仕上がった。タイトルにもあるスコットランドのBalgay Parkに流れるゆったりとした時間の機微を感じさせる桃源郷的サウンドが魅力的。 (新宿ラテンブラジル館 高橋)

〇 AWKWARD CORNERS / AMATEUR DRAMATICS
前作『DISLOCATION SONGS』も最高でしたが、新作『AMATEUR DRAMATICS』も最高! 今シーズンの私的エキゾチックアンビエント第1位候補(現時点で第2位はG.S. SCHRAY『THE CHANGING ACCOUNT』)でございます! どこの国か全くわからない異国感+無機質なリズムボックスで無限トリップ間違いなしです。もう少し涼しくなったら秋の夜長の散歩チューンにぴったりの一枚ですね (CDはありませんので各種サブスクでどうぞ!)。 (ROCK in TOKYO 佐藤)

〇 BRUNO PERNADAS / PRIVATE REASONS
先行シングルを聴いた時にはあまりにもポップな曲で肩透かしを食らってしまいましたが、今日アルバム全編を通して聴いて、これはブルーノ・ペルナーダスの最高傑作であることはもちろん、21世紀のポップ・ミュージックとしてもトップクラスのアルバムであることを確信しました。ワールド・ミュージックの様々な影響を受けながらも、決してルーツ・ミュージックへの憧れだけでなく、また単なるサウンド・テキスチャーを引用したサンプリング・アートでもなく、さらっと自然体にすべての音がブルーノ色に染まっていく不思議な感覚を覚えます。決してカリスマ的な個性を主張するわけでもなく、かといって単なるワールド・ミュージックの引用とも違う。捉えどころのない、しかし滲み出るブルーノ節みたいなものがアルバム全体のトーンを支配していく。。。個性とは決して主張するものではなく、黙っていても醸し出されてしまうものだという事を強く感じさせてくれる作品でした。2000年代のポップ・ミュージックの忘れられない、いつもでも大切に聴いていたいアルバムです。大傑作です。 (新宿ラテンブラジル館 西原)

〇 LES PASSAGERS / ELDORADO
当店はもちろん、どこのレコード屋さんにもある「ワールドミュージック」の棚は便利な反面、ブエナビスタ・ソシアルクラブと女子十二楽坊とリッキー・マーティンが並んでアチチする (※実話です) 文化帝国主義の危険性を孕んでいるわけですが、遥かカナダはモントリオールから届いたこのデビューアルバムには「ワールドポップミュージック」という新しい棚が必要かもしれません (そっちにもリッキー・マーティンが浸入してきそうですが) 。アフロビートもジャズもロックもテクノも、混ぜ方次第でインドカレー屋のインド人もびっくりの新メニュー、ワールドフレンチポップの出来上がり。しかもタイトルはエルドラド=黄金郷。この地球上のどこかにあると言われていたワールドポップミュージックが絶賛来日中です。 (吉祥寺ジャズ館 笹山)

〇 レミス・ランチース / パヴェユイ
「年間ベスト」なんて決められるほどたくさんちゃんと聴けてないんですが、これは特に印象的な作品でした。クワイエットな雰囲気の前半はもちろん美しく、タンゴやアフリカなど様々なリズムの曲が連なる後半も面白い。意外とソロとか演奏はジャズっぽいモダンさがあったりして、なんとも表現するのが難しいのですが、とにかく素晴らしい作品でした。店頭でかけながら「めちゃくちゃイイ」と連呼してうるさかったと思います(新品スタッフ、申し訳ない)。これ元々配信のみだったそうで、CD化してくれたインパートメントさんに感謝。と共に、こういう素晴らしい作品を自分ももっと見つけなければ、と身が引き締まる思いです。 (JazzTOKYO 逆瀬川)

〇 笹久保伸 / チチブ
サム・ゲンデルが好きなので、本作もその共演を目当てに購入。そしてその目的は見事に果たされたというか、共演した1曲目は素晴らしかった。サム・ゲンデルはマルチ・ミュージシャンということもあって、参加しているアルバムを買ってみたらサックス吹いてなかった、みたいなこともあったりするのですが、その点ここでの共演は、笹久保が爪弾くギターにポリフォニックなサックスの音色が重なり合う、サム・ゲンデルファンとしても大満足な内容。でも正直言うとこの1曲目、アルバム全体41分の半分近くを占める18分間もありながら、主にブラジルのミュージシャンと共演した2曲目以降の雰囲気とはだいぶ異なったというか、浮いたような印象。でも何度も聴くうちに、それが以降の曲に対して絶妙なコントラストを生み出していて、本作を特別な雰囲気の作品にしているのだなと気づきました。この曲の直後の、ジョアナ・ケイロスが歌う2曲目が実に優しく美しくて、ジンときます。 (JazzTOKYO 逆瀬川)

〇 V.A. / OUR TOWN: JAZZ FUSION, FUNKY POP & BOSSA GAYO TRACKS FROM DONG-A RECORDS
韓国の名再発レーベルBEAT BALLが手掛ける韓国産シティポップコンピレーションアルバム。LIGHT IN THE ATTIC監修の『PACIFIC BREEZE』にも通ずる選曲センスで、始まりから終わりまで捨て曲なしの好内容です。それぞれの曲を調べてみると、再発されているものも数曲あるものの、まだまだ入手困難な音源ばかりです。2019年に再発された、LIGHT & SALTの90年リリース作などはサブスク等で聴くことできますので、まずは是非聞いてみて下さい! レーベル縛りで選曲されたとは思えないほど、ジャパニーズ・シティ・ポップにも引けを取らないキラーチューンばかりです! (神保町店 坂本)

〇 ヴィラ・タリサ / プリマヴェーラ
60′sアメリカンポップスや90年代渋谷系シティポップが好きな方には刺さるハズ! ブライアン・ウィルソン・ファンのインドネシア出身/在住のシンガーソングライターによる作品。おしゃれでカワイイ、甘酸っぱくキュンキュンするようなサウンドと歌声の、聴いていて気持ちのいいシティポップ。 (JazzTOKYO 関口)

〇 FROM TOKYO TO HONOLULU / I DON'T KNOW WHAT WILL HAPPEN NEXT
VAPORWAVEやらCHILLWAVEやら最近は●●WAVE三昧で聴いている筆者である。BANDCAMPは私にとってVAPORWAVEの宝庫ともいえるサイトなので日々フィジカルで入手できそうなタイトルを探すのが日課になっている。
そんな中で去年(2020年)に見つけたのがこのFROM TOKYO TO HONOLULUというアーティストで本人のSNSにはどこの国の出身者なのか明確に記載されておらず
何人なので全く不明な輩である。しかも今回の商品はタイトルがハングル文字で曲目リストがキリル文字で表記されておりアーティスト名以外は翻訳機にかけないと何のことだかさっぱり分からない。
内容はとてもドリーミーなVAPORWAVE/CHILLWAVEで埋め尽くされており非常に耳の安らぐナンバーとなっている。「これはAMBIENT系が好きな人にも受けそう!」ということで入手を試みたが気が付いたら1年かかっており半ば諦めていたのだったが2021年の最後の最後でやっと手にできた! コロナがなかなか収束せず未だストレスフルな世の中ですがこれでも聴いて瞑想しようと思います。(営業部 安達)

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