68年に結成、70年代にはアメリカで大成功を収めるクライマックス・シカゴ・ブルース・バンド。本作はバンド名から「シカゴ」が取れて初となる通算2枚目のアルバムで、69年発表。中心メンバーは、65年に超名曲"MAKE HER MINE"を発表しているヒップスター・イメージのブルーズ・ハーピスト、コリン・クーパーです。バンド名通りシカゴ・ブルーズを演奏していたファーストから一転、このセカンドではインスト指向のブルーズ・ロックを聞かせます。ここでのキー・マンは、やはりクーパー。ファーストではブルーズ・ハープのみでしたが、本作ではサックスや竹笛も吹いており、ジャズ・ピアニストのレイ・ブライアント作"CUBANO CHANT"での笛の音色は格別の味わいです。ブルージーなインストから一転、ポップなピアノが転がる"TWENTY PAST TWO TEMPTATION RAG"、シカゴ・ブルーズな"SO MANY ROADS"と、良い曲がいっぱい。ブルーズ・ロックに「美しい」という言葉はあまり似合いませんが、しかし美しい傑作です。