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- みすず書房 / JPN / BOOK / 4622097914 / 1009045413 / 2025年04月30日
売切 注文不可判型:A5ページ数:408ページ内容紹介ショパンはその生涯に多くの歌曲を書いた。古典主義からロマン主義への過渡期にあった同時代6人の詩人の詩にショパンが付曲したものが主であるが、生前には刊行されず、ショパン作品群の中での位置づけは低い。一方で文学ジャンル「バラード」と共通する詩的な題名をもつ作品を、ショパンは4つ残した。ピアノを弾く人、聴く人に愛され続けてきた《バラード》1番から4番である。ピアノ独奏曲にバラードの語を用い始めたのはショパンが最初だが、その意図については、特定の詩作品との関連説が根拠なく有力視されてきた。ショパンの死後150年以上ものあいだ、なぜそのような解釈が許容されてきたのか。これまで軽視されていたショパンの歌曲について、本書はまず詩の精緻な分析を行った上で、ショパンの付曲がいかに見事に各詩に対応しているかを明らかにする。つまりショパンには、文学作品を構造的・理論的にとらえる高度な能力と、それを音楽で表現する技量があった。その発見を梃子に著者は、《バラード》の構造を詩学と音楽学を駆使してつぎつぎに、よどみない筆致で紐といてゆく。そして浮かび上がるショパンの《バラード》は、特定の詩にインスピレーションを得て思いつくままに書かれたようなものではない、壮大な芸術的営みである。ショパンは感傷的なサロン音楽の作者と目されがちで、そのような意味で「ピアノの詩人」と呼ばれてきた。しかし本当は、まったく別の意味でそう呼ばれるべきだったのではないか。作曲家の真髄を研究史の死角から救い出した、若手研究者の快挙。「ひとつの結論から次の結論へ発展的につむがれる分析が、驚きのフィナーレに上りつめる。そして明かされる、ショパンが生んだ新ジャンル《バラード》の構造。何十年と読まれるだろう本当の力作」小山実稚恵「僕の中でショパンのバラードの概念が大きく変わりました。この本に感謝でいっぱいです」川口成彦目次凡例第1章 ショパンと文学――新たな視座から1 本書の射程2 本書の目的と背景――先行研究と問題点3 ショパンを取り巻いた言葉〈第1部〉6人の詩人から読み解くショパンの歌曲――その詩の構造と作曲技法との関わり第2章 19世紀初頭ポーランドの文学と音楽――〈第1部〉導入として1 1815-1830年のポーランド文壇2 1815-1830年のポーランド楽壇第3章 オシンスキ――屈折した最後の啓蒙主義詩人1 栄光の人生2 さまざまな顔3 ショパンとオシンスキ4 分析――《リトアニアの歌》5 まとめ――「翻訳詩人」と「歌曲作家」の共鳴第4章 ミツキェヴィチ――「開かれた形式」の誕生へ1 ミツキェヴィチの生涯と作風概観2 直接的発話からドラマティック抒情詩へ3 ショパンとミツキェヴィチ4 楽曲分析5 まとめ――伝統の「同化」から「淘汰」へ第5章 ヴィトフィツキ――生涯の友となった田園詩人1 ヴィトフィツキの生涯2 郷里と民衆を謳う――『田園詩集』と『バラードとロマンス』3 ショパンとヴィトフィツキ4 楽曲分析5 まとめ――「民謡詩」と「芸術詩」を的確に読み取った作曲家第6章 ポル――国土を愛した蜂起歌人1 生い立ち2 ポルの両親――家庭環境から窺えるショパンとの共通性3 ポルの作風4 分析――《墓からの歌》5 まとめ――時空間の転換と調性第7章 ザレスキ――ウクライナの小夜啼鳥1 ザレスキの生涯2 3つの詩とウクライナ民謡のリズム3 ショパンとザレスキ4 楽曲分析5 まとめ――ウクライナとポーランドの「交差点」第8章 クラシンスキ――望郷の「匿名詩人」1 生い立ち、代表作とその特徴2 「十字を負いし山より」と『旧約聖書』3 『最後の人』に見られるクラシンスキ的思想4 ショパンとクラシンスキ――デルフィナ・ポトツカをめぐって5 分析――《十字を負いし山より》6 まとめ――詩学的な客観視と楽曲構造〈第2部〉《バラード》の条件――ショパンが生んだ新ジャンルをめぐって第9章 ポーランド文学の「バラード」に対峙するショパン1 ポーランド文学史における「バラード」2 ショパンの《バラード》に共通する拍子とリズム3 ポーランド「バラード」構造概観第10章 叙事詩的特徴――バラードを支えるトリニティ(1)1 叙事詩の定義と歴史2 19世紀ポーランドにおける叙事詩とバラードのとらえ方3 「バラード」における叙事詩の要素4 ショパンの《バラード》に見られる叙事詩的バラード構造5 まとめ――叙事詩的特徴から抒情詩・戯曲的特徴へ第11章 抒情詩的特徴――バラードを支えるトリニティ(2)1 抒情詩の定義と歴史2 19世紀ポーランドにおける抒情詩とバラードのとらえ方3 「バラード」における抒情詩の要素4 バラードにおける「音楽的構造」と「言語的・視覚的表現」5 ショパンの《バラード》に見られる抒情詩的バラード構造6 まとめ――「聴覚化」と「視覚化」の矛盾が生む固有性第12章 戯曲的特徴――バラードを支えるトリニティ(3)1 戯曲の定義と歴史2 「バラード」における戯曲の要素3 ショパンの《バラード》に見られる戯曲的バラード構造4 まとめ――「混合物」としての独創性終章 ピアノの「詩人」――ショパンがポーランドの言葉から得たもの註詩学用語一覧音楽用語一覧参考文献一覧初出一覧あとがき索引著者略歴著・文・その他:松尾梨沙(まつお・りさ)1983年、福岡県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。2010~2013年、ワルシャワ大学音楽学研究所へ留学、同大学ポーランド文学研究所でも学ぶ。2018年3月、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員DC1(東京大学)、PD(一橋大学)、海外特別研究員(パリ第3大学)を経て現在、早稲田大学高等研究所講師、パリ第3大学CERC(比較学研究センター)協力研究員。専門は音楽学、比較文学、比較芸術。ピアノを迫昭嘉氏に師事。第53回全日本学生音楽コンクール福岡大会ピアノ部門第2位。本書で2018/2019年度スラヴ学研究会奨励賞および第25回日本比較文学会賞を受賞。*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。(出版情報サイトより)¥5,060 (税込)ご注文できません
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