3,353円(税込)
※5,000円(税込)以上買うと送料無料!新品でも中古品でもOK!
デヴィッド・チュードアの重要作品にして永らく入手が困難となっていた本作品がまさかの再入荷。
優れたピアニストであったチュードアであるが、やがてアカデミズムに背を向けるように一部の共演者としか演奏活動を行わなくなっている。盟友であったジョン・ケージは前衛音楽界とフレキシブルな関係を築いていたが、チュードアはそれをあくまで拒絶している。それ以降チュードアは晩年までライヴ・エレクトロニクス作品を発表 (演奏) し続けるが、残された音源 (及びサウンド・システム) が、「現代音楽の…」 という範疇に収まるものでは無いことはご承知のとおり。硬直した前衛シーンに対し強烈なアンチを叩き付けたチュードアであるが、ピアノ演奏においても凄まじい鬼気を放っていたことを思い出したい。今作にはケージの ‘Solo for Piano’ を収録しているが、静止した間合いやカミソリ千本のような鋭い打鍵、特殊演奏による具体音の混入など、息苦しい程の緊迫感が演奏に宿っている。一方、チュードアのライヴ・エレクトロニクス代表作 ‘Neural Synthesis (No. 2)’ は、自由度の高いサウンド・プロダクションとなっている。ジャングル風のテープ音源と電子音がライヴ・ミックスされたトロピカルな作品で、自在に動き回る電子音は感動的である。この音源とMODE、LOVELY盤を合わせて、「ニューラル・シンセシス」 をシリーズで楽しみたい。
このように、ピアニストでありライヴ・エレクトロニクス演奏家であったデヴィッド・チュードアの一端を知るのに、このCDは相応しい作品といえる。
DAVID TUDOR / デヴィッド・チュードア