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★★disk union presents FAVORITE DISC 2007★★
日本のジャズに独自のポジションを築き根強いファンを持つレーベル、スタジオ・ウィー。2007年に入ってからなかなか新作が出ないなあ・・と気をもんでいたところ、この渾身の一枚が登場し、余計な心配も見事に吹っ飛んだ。
同レーベルの顔とも言えるアルト奏者・林栄一のスタジオ録音。3種類の編成で数曲ずつ配置されたユニークかつ内容の濃い作品。各トラックの収録時間は短めだが、それらが集積された結果として、全てを聴き終った後、林栄一のサックスの音が脳の奥に焼きついて残ってしまう感覚を覚える。音の質感や一瞬一瞬のフレーズの凄みを味わえるソロ。林の作曲・アレンジ・音の選び方のセンスが多分に聴き取れカタルシスを得ることができる、自身による多重録音サックス・アンサンブルもの。そして、日本のジャズ・ドラマーの中でも類まれなリズム感覚を持つ天才・外山明との高いレベルでの融合に圧倒されるデュオ。どこを切り取っても素晴らしく、林栄一の2000年代の最高作と言っても過言ではないアルバムだと思う。
林栄一(as,ss,bs),外山明(ds:M2,4,5,9,11,13)
[ 2007年作 ]
お茶の水ジャズ館 後藤敏章
EIICHI HAYASHI / 林栄一