DIRCEU LEITE (ヂルセウ・レイチ)・・・熱心なショーロ・ファンの方や、プレイヤー・レベルでブラジル音楽に心酔するリスナー以外には馴染みの薄い名前かもしれないが、、数え切れないほどのセッションを誇り、ショーロ~サンバのレコーディングに必ずといっていいほど名を連ねているサポート・プレイヤーとして知られるクラリネット/サキソフォン/フルートの最高峰である。リーダー作これが2枚目で、実に10数年ぶり。
プレイヤーとしての巧さ、サウンドを引き立てる独特の感性も然ることながら、この作品が興味深いのは、タイトルが「カシーキ・インストゥルメンタル」とあるように、バテリアがパゴーヂ編成スタイルで、そこへ伴奏が加わり、DIRCEUがソロを取る・・・という、ショーロではなく「パゴーヂ・サンバ・インスト」の質感であること。ショーロよりもリズミカルで、サンバよりもさらに豊かな響き・・・。意外とありそうでなかった、このサウンドは、サンバ・ファンにもかなりクセになりそう。レパートリーもフンド・ヂ・キンタル周辺の楽曲、ゼカ、ルイス・カルロス・ダ・ヴィラ、ジョルジ・アラガォンとカシーキ一色。パゴーヂ楽器での参加は、Ovídio Brito, Chico Chagas, Arlindo Cruz, Sombrinha, Ubiracy, Luiz Carlos da Vilaと大物揃い。ソリストのゲストはHamilton de Holanda, Carlos Malta, Rildo Hora, Vittor Santosと、こちらも名手たち。 これは、長く愛聴すべき素晴らしいアルバム!