2,200円(税込)
※5,000円(税込)以上買うと送料無料!新品でも中古品でもOK!
北欧デンマークのジャズ・ブラジリアン・ブレイン、スティーン・ラスムーセン(p)新作は、本場ブラジル・サンパウロでのスタジオ・レコーディング。MPBの逸材マルシア・ロペス、ファビオ・カドーレをフィーチュアした、アーティスティックで完成度の高いジャジーMPB。
かつてよりブラジル音楽との関連性が深い北欧ジャズ・シーン。中でもデンマークで活躍するピアニスト、スティーン・ラスムーセンは、そのプレイ・スタイルと造詣の深さで、現在の北欧ブラジル・シーンのトップ・プレイヤーと言われる一人である。2005年には、トニーニョ・オルタ、アイアートと共演したシルヴァーナ・マルタの名作「CEU DE BRASILEIRA」に参加。自身の名義では、2008年、2010年に濃密で完成度の高いブラジリアン・ジャズ・アルバムをリリースしたことで、ジャズ・フリークはもとより、ブラジル・リスナーからも注目されている。そんなスティーンが、自身の率いるレギュラー・カルテットを率いて本場ブラジル・サンパウロへ渡り、スタジオ・レコーディングを敢行。その素晴しいセッションを収録したのが本作である。
注目は、ブラジルからのスペシャル・フィーチュアリング・アーティスト。♀vo.には、カルト・シンガーのマルシア・ロペスが参加。 2003年にMPBファンの記憶に残るキャリア唯一のアルバム「LP」をリリース(後にリップカールより国内盤も発売)した才女がメインのヴォーカルを努め、事実上の彼女の新作といった気運も強い。そしてもう一人はギタリスト/SSWの才人ファビオ・カドーレが参加。こちらも2008年にリリースした唯一の作品「LUDICO NAVEGANTE」が、熱心なMPBファンから高い評価を集めたサンパウロの若手ミュージシャンである。
Steen Rasmussen Marcia Lopes Fabio Cadore
この二人の声が久々に拝聴できるというトピックはMPBファンには嬉しいところだが、やはり作品全体のクオリティの高さは特筆。カエターノ&ガル不朽の名作「DOMINGO」を想起させる#1「CORACAO VAGABUNDO」のナイーブなテイクに始まり、シコ・ブアルキ、レオ・ミナックス、カルロス・リラ、そして先述のファビオ・カドーレのオリジナルと、MPB/ボサ・ノヴァの風情をたっぷり感じさせる好カバー・トラックは実に素晴しい。スティーン率いるジャズ・アンサンブルのスタイリッシュな響きと、マルシア、ファビオの表情豊かなヴォーカル・ワークが絶妙に絡みあい、サウダージな風情の音像に聞き惚れてしまう。加えて、#5,7,10などのスティーン・サイドのブラジリアン・ジャズ・ナンバーも上質。敬愛する偉人ジョアン・ドナートのフレージングを引用したオリジナルのジャズ・ボサ・ノヴァのラスト#11を聞き終えて、心豊かな気分になったところで、また最初から聴き進めたい・・・そんな衝動にさえ駆られる1枚。
ブラジル/ジャズ双方のファンに、長く愛聴して頂きたい名作の誕生だ。
CORACAO VAGABUNDO
ARTISTS WEB SITE
STEEN RASMUSSEN / スティーン・ラスムセン