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マリオ・アヂネー : MPBシーン屈指のギタリスト/アレンジャー放つ新作。ヴィニシウス・ヂ・モライス所縁の名曲をスタイリッシュにアレンジ。 ドリ・カイーミ、ジョイス、タチアナ・パーハほかゲスト・シンガーも素晴らしい。
MPBシーン屈指のギタリスト/アレンジャーとして知られ、ブラジル国内で多くの作品を手がける他、USでの活動や、かの小野リサのアルバムもプロデュース。トータルなブラジル音楽に精通したミュージシャンとして広く尊敬を集めるのがマリオ・アヂネーだ。自身の名義によるリリースでは、バーデン・パウエルのアフロ・サンバや、アントニオ・カルロル・ジョビンの名曲をマリオ流のジャズ・アレンジで再構築したカバー・アルバムを近年ビスコイト・フィーノからシリーズでリリースするなど、スタイリッシュな創造性はますます勢力を増してきてた、名実ともにMPBシーンのキーマンである。
次の動向が注目されるマリオ・アヂネーの2011年ニュー・リリースは、キャリア初となるメジャーからの登場。これまでのブラジル名曲アップデートの新編と位置づけても良いテーマは、ボサ・ノヴァ詩人ヴィニシウス・ヂ・モライス所縁のトラック。いわゆるボサ・ノヴァとしての古典ではなく、古くはピシンギーニャから、モアシル・サントス、バーデン・パウエルなど共作した佳曲といった、マリオこだわりのレパートリーが、ジャズ・コンボ&シンフォニック・オーケストラ、そしてゲスト・シンガーと共にスタイリッシュに再構築されている。
注目は、そのゲスト・シンガー陣。ドリ・カイーミ、ジョイス・モレーノ、モニカ・サルマーゾ、セルジオ・サントス、そしてタチアナ・パーハと、心に響く詩情を歌うことのできるMPBの大物実力派がこぞって参加している。MPBの本質とも言える優美なメロディーと、ナチュラルな情景描写最高の形となって現れた1枚は、すべてのブラジル・ファンにレコメンド。
MARIO ADNET / マリオ・アヂネー