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サカナクションのメジャーデビュー前、自分自身のための訓練として書き綴られた詩のような短い言葉の断片たち。シリーズ第2弾。
一郎くん
一郎くんはロックバンドのフロントマン、である前に、まさしくひとりのシンガーソングライターだと思う。
いつでも、歌う自分と作る自分が鬩ぎ合っている。
いつでも、(いつか魂の歌を)と切望している。
決して諦めていないから苦しい。諦めてしまえたらどんなに楽だろう。一度は名前が出た後でそんなやつは大勢いる。
懐かしい北国の風景をさ迷えば何かが見つかると思って、徒然なるままに書き留めているのだろう。
でも、ここからは私の愛情だと思って聞いてほしい。
私が気になるのは、このエチュードたち殆どの最後のあたりが、なげやりなことだ。
一郎くんの居ても立っても居られないこの行為自体に、私は疑問を感じている。
歌作りは、まず頭の中で構築してからと思わずに、とにかく勝手に弾いたり歌ったりしてみればいい。
偶発性に身を委ねれば、次の偶然に出会い、気づけばフォルムになっている。一郎くんの深く碧い声の響きなら必ず可能だ。
でもともあれ、
回り道に宝物はある。
私は“彷徨えるシンガーソングライター=サカナクション山口一郎”のファンであることに間違いない。
松任谷由実
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2021年07月17日 / LP(レコード) / IMPORT
廃盤