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70'sフィーリング溢れる様々なサウンド、スタイルをコンテンポラリーな技術と感覚で折衷し、独特のサイケデリアを作り上げるアメリカのバンドMUSHROOMの'01年作。
プログレ、ジャーマン・ロック、ロック/ポップス、60's&70'sジャズなどなど、とにかく数え上げればキリがないほど様々なサウンド、バンド、アルバムの要素が溶け込んでおり(例えばリーダーのPat Thomasがインタビューで引き合いに出しているものには「アモン・デュール、ファウスト、ソフトマシーン、キング・クリムゾン、キャロル・キング、エルトン・ジョン、リチャード・トンプソン、エレクトリック期のマイルス、パット・メセニー」などなど、あるいは「ジェネシスの最初の五枚にピンク・フロイドの最初の三枚」とかとか)、いわばヘヴィ・リスナーによるヘヴィ・リスナーのための音楽という一面もあります。しかしながら、彼らのサウンドの感触やグルーヴにはロック系一般やアヴァン・ポップ系リスナーからブラック系、クラブ系のリスナーまで幅広く音楽ファンにアピールするポップさ、オープンさが基調にあります。
さて本作、ギター/ベース、ドラム、アナログ・シンセやローズなどベーシックな楽器の音は忠実に70s風ですが、演奏/音色両面で実験的要素を交え、さらにサンプリングやフィールドレコーディングなども取り入れ、全体のサウンド・プロダクションにははっきりと音響的な意識があります。音楽的なチャレンジ精神、多ジャンル折衷的なスタイルにおいて、70'sフィーリングに留まらない「70'sマインド」を持った現代的なバンドだと言えるでしょう。リズム、フレーズ、サウンドのカッコよさが三拍子揃った作品です。ただのマニアックな音楽ではなく、ミュージシャンシップの高さもあり、かつフレンドリー。そして実にクール。特にサイケ、ジャーマンのファンは迷わず一聴していただきたいバンド、作品です。
※MushroomのメンバーはDaevid Allen’s University of Errorsに参加しています。
【三面Digipack仕様】

(営業部/プログレッシヴ・ロック担当:山代)