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シャンパンの華やかさと、清々しい後味。森の木漏れ日きらめくピアノ・ソロ。
マーク・コープランドのソロ・アルバム“ゲイリー”は、ゲイリー・ピーコックの元妻、アネット・ピーコック作のタイトル曲〈Gary〉と、ピーコック自身の作品集だ。コープランドは、コルトレーンを育み、マッコイ・タイナーやケニー・バロンなどの名ピアニストを輩出したフィラデルフィア出身で、マイケル・ブレッカーとはクラスメートだった。
コープランドとピーコックは、80年代中期から、デュオやトリオなど、様々なフォーマットで共演を重ねており、ECMにおけるピーコックのリーダー作のレパートリーが、ここでは全く違った表情を見せ、作曲家ピーコックの新たな魅力を教えてくれる。
ハーモニーの紡ぎ手として定評のあるコープランドのピアノは、ベースの巨匠が作った楽曲のパルスを活かしつつ、絶妙のペダル・ワークとタッチ・コントロールによって独特の“ゆらめき”と余韻を生み出す。このアルバムを聴いていると、黒沢明監督作品「羅生門」で、稀代のカメラマン宮川一夫が捉えた森の中で木漏れ日が輝く歴史的名シーンが心に浮かんだ。
澤野由明氏と長年深い親交を持つプロデューサー兼デザイナー、フィリップ・ギルメッティが16年の歳月をかけて成就させた“ゲイリー”は、シャンパンの華やかさと、清々しい後味が楽しめるアルバムだ。
Text by 寺井 珠重
MARC COPLAND / マーク・コープランド