First Fish

RINTARO MIKAMI 三上麟太郎

ニューヨーク在住の気鋭若手ジャズドラマーがオリジナル計9トラックを収録した渾身のリーダー第1作目

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レーベル
RINTARO MIKAMI
国(Country)
IMPORT
フォーマット
CD
規格番号
198025390197
通販番号
1008709423
発売日
2023年09月15日
EAN
0198025390197
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商品詳細情報

※デジパック

ニューヨーク在住の気鋭若手ジャズドラマー、三上麟太郎がオリジナル計9トラックを収録した渾身のリーダー第1作目“First Fish”を発表。


この世に生きる我々は皆、何処かに心の在処を築きます。ジャズドラマー・作曲家の三上麟太郎にとって、それは鹿児島県口永良部島で過ごした日々であり、デビューアルバム First Fish はこの島へ宛てたものになっています。
収録されている楽曲達は、東京出身である三上が、中学 1、2年生の頃に口永良部島で山海留学生として移住し、そこで経験した島生活からインスピレーションを受けて作曲されています。その経験は、東京に戻った後も芸術面に大きな影響を与え続け、彼がジャズを志して、海を渡り、ニューヨークの音楽シーンで若手気鋭ドラマー・作曲家として成長していく過程で、音楽に形を変えていきました。そして、彼のオリジナル8曲
とドラムソロを含んだ計9トラックは、大きな一つの壮大な物語を作り、晴れて今年 9月、First Fish はこの世に羽ばたきます。
アルバムは、夜明けの港を思わせる、ゆったりとした”Arrival”で幕を開けます。ここでは、ドラムのみならず、三上自身が書いた詩を朗読しています。詩の内容は、三上少年が島から東京に戻る朝の港の情景を謳ったもので、朗読中に繰り広げられる Plotnickのピアノソロと心地よく絡み、アルバムのムードを作り上げます。次に続く、5拍子のリズミックで爽快な“The Whistle”は、良いコントラストを生み、主人公の寂しさや不安が、希望に満ちた決意へと変わってゆく心情の変化を良く表現しています。
この時点で、三上の深く洗礼された繊細なドラミングは明確です。三上は特に、幅広いダイナミクスのレンジをコントロールしたインプロビゼーションの中で、バンドが向かう方向を明確にリードしていくことに長けています。それに応えるように、テナーサックスの David Truilo、ギターの Omri Bar Giora、ピアノの Henry Plotnick、そしてベースの Bar Filipowicz は、個々の個性を十分に発揮しながら、強力なアンサンブルを支え、三上の叙情的な楽曲達を更にレベルアップさせています。Truilo と Giora は時折ユニゾンで演奏し、三上の書く感情に訴えるメロディをより一層協調させているのも一つのポイントです。5人それぞれのソロの演奏技術も格段に高く、トラック4の“Derailing”ではサックス、ピアノ、ギターのトレードソロを用い、極限まで混沌を表現した後、オープンドラムソロに繋げています。
タイトルトラックのジャズワルツ、"First Fish"に込められたメッセージはこのアルバムの核となるものです。「誰しもが眠れない夜を経験すると思うのですが、そんな時に支えてくれる何かがあると思います。僕の場合は、あの島で初めて釣りをした時のことだった。」と、語る三上が自分自身で手がけた歌詞は、ゲストボーカル Lily Resnikoffは壮大に歌い上げられ、ユニークなハーモニーとダイナミクスに富んだ演奏共に、主人
公の夢の情景を鮮やかに描いています。三上の作詞家としての才能も光る一曲であり、特に"If I could draw your light turquoise, this ceiling would let me fall asleep."の一節はとても美しい表現です。
"Derailing"と"Secession"の2曲は、どちらも「普遍からの脱却」というテーマに沿っており、前者は、東京という場所を一度離れ、島暮らしを経験することを選んだ際の不安と胸の高鳴りが混ざり合う心情、後者はミュージシャンを志して、ニューヨークへ向かう時のことを表しています。"Secession"は、エネルギッシュかつリズミックなアップテンポで幕を開けますが、中盤で大きくテンポを下げてムードを一変し、Truilo のサックスソロを挟んだ後に元のテンポに戻るというマルチパートな楽器構成を用いており、楽曲の表現の幅をより広げています。
"The Sky He Saw"と"Interlaken"では、空間的な表現を用いて、島の静けさや、安らぎ、自然の調和を表現しています。"The Sky He Saw"では Bill Frisell と Joe Lovano を思わせる Truilo と Giora の空間的なデュオで始まり、バンドイン後は三上の美しいブラシワークが光ります。印象派の絵画から聴こえてきそうな繊細な音の空間を引き継ぎ、三上はドラムソロピース"A stone flows to"をマレットで演奏し、“Interlaken”のドラマティックなルバートイントロに繋げます。"Interlaken"は、軽やかなの 3 拍子で進行していきますが、ピアノソロでは、エネルギッシュな 4 拍子へ移行。このトランジションは実にエフォートレスであり、メンバー間のアンサンブル能力の高さを証明しています。ここで繰り広げられる Plotnick の解き放たれた力強いソロに三上も応え、Kenny Kirklandと Jeff “Tain” Watts を思わせるハードスウィングを展開しています。
ハーモニカ奏者の Ariel Bart がゲストとして参加した Deer’s Dream で、アルバムは感動的なフィナーレを迎えます。リリカルで、心地よいメロディからは、三上の生まれ育った日本のポップ音楽の影響が垣間見えます。この曲のテーマは、三上が島で見た一つの情景です。三上が居た口永良部島では、時折、生息している鹿が隣接する屋久島へ海を泳いで渡ることがあり、まだ見ぬ地を目指して大海原へ繰り出す鹿達の姿に三上はニューヨークへ渡ってきた自分の影を重ねて、この曲を仕上げました。次、三上は何処へ向かうのでしょうか。ジャズドラマー・作曲家としてアートを追求する、この終わりなき旅を続けていくという三上の決意を込めて、第一作目のデビューアルバム First Fishは完結します。


■Rintaro Mikami (drums, compositions, lyrics, voice track 1)
David Truilo (tenor sax)
Omri Bar Giora (guitar)
Henry Plotnick (piano)
Bar Filipowicz (bass)


Special Guests Lily Resnikoff (vocals), Ariel Bart (harmonica) 


ソングリスト

  • 1. Arrival
  • 2. The Whistle
  • 3. First Fish (feat. Lily Resnikoff)
  • 4. Derailing
  • 5. The sky he saw
  • 6. A stone flows to (Interlude)
  • 7. Interlaken
  • 8. Secession
  • 9. Deer's Dream (feat. Ariel Bart)