アルゼンチン・フォルクローレには珍しく、原色の印象を抱かせる色気ある歌。90年代初頭より活躍するロレーナは、デビュー作のクチ・レギサモン作品集で話題を呼び、03年の『Ojos Del Agua』ではカルロス・アギーレと共演するなど力作を作り続けている。この3作目では、ギタリストのペペ・ルナが全編をジャジーでアコースティックなアレンジを施し、力強い歌声をこれまで以上に際立たせている。リリアン・サバがリリカルなピアノを聞かせる「Zamba Del Chaguanco」や、フラメンコ風にビクトル・ハラをカヴァーした「El Niño Yuntero」などの躍動感も絶品だ。