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ウーゴ・ファットルーソ。古くはロス・シェイカーズ、オーパといったキャリアで知られ、ミルトン・ナシメントやジャヴァン、シコ・ブアルキ、エルメート・パスコアルといったブラジル系サポートから、昨今ではソロ・ピアノ大作から金子飛鳥との共演まで、出身であるウルグアイにに留まらず、南北アメリカで活躍を続けてきた稀代の巨匠である。カルロス・アギーレやモノ・フォンタナといった後続のピアニストたちもこぞってウーゴからの影響力を公言するなど、キャリアを通じて常に刺激的かつ素晴らしい作品を世に出し、今も精力的な活動を継続。世界でも認められた偉大なピアニストである。そのウーゴが近年もっとも力を入れているセッション・ユニットが、ウルグアイ固有のリズム「カンドンベ」を基調にしたジャズ・プロジェクト"ウーゴ・ファットルーソ・イ・レイ・タンボール"。その待望のサード・アルバムが「PURO SENTIMIENTO」リリースとなる。
まずは、アフリカからの奴隷であった黒人が持ち込んだといわれるカンドンベの強烈なリズムに溺れて頂きたい。かつてエリート達からその存在を脅威とみなされ禁止されたこともあったほどに、「黒さ」と「呪術性」を強く感じさせる鋭いパーカッションの洪水に陶酔必至。加えて、本作品を唯一無二たらしめているのは、他でもないウーゴのピアノとアレンジ。同郷の偉人エドゥアルド・マテオのM1、ハイメ・ルースのM2ではパーカッシヴなタッチで鍵盤を打ちつけながらもメロディックかつ豊かなハーモニーを奏でていく圧巻のピアノを披露。同じくハイメ・ルースのM4は、まるで大粒の雨が打ちつけるように鳴り響く、どこかメランコリックな一曲。シンセサイザーやアコーディオンを駆使したアレンジのM5、M6には度肝を抜かれるが、スペーシーでありながらどこかユニークな遊び心を感じるウーゴ節が満載。ガーシュインの名曲のカバーM7ではウーゴの歌心溢れるピアノを堪能。ラスト・トラックなどで聴かせる胸を締め付けるようなウーゴの愛らしいヴォーカルも、多彩な本作により深い味わいを与えているといえよう。
ウルグアイの伝統音楽をベースにしながらも、圧巻のピアノと独特のユニークさ、スケールの大きさで音楽ファンを魅了し続けるウーゴのカンドンベ・ジャズ・プロジェクト。南米グルーヴ・ファン、ジャズ・ピアニスト・フリーク、そしてクラブ・ミュージック系リスナーも巻き込んで話題を呼んだ1st「EMOVITO」の質感はそのままに、より多彩なアレンジで綴られる本作により、深化したウーゴの世界観がうかがえる大傑作。ウルグアイのみならず、アルゼンチン、ブラジル音楽シーンにも常に影響を与え続ける巨匠の動向から、ますます目が離せそうにない。
HUGO FATTORUSO Y REY TAMBOR / ウーゴ・ファトルーソ・イ・レイ・タンボイール