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1980年生まれ。若干30歳の才女PAULA SHOCRON(パウラ・ショクロン)。クラシカルな音楽教育を受けながらも、アルゼンチン・プログレッシブ・ジャズの世界で早くから頭角を現し数多くのジャズ作品に参加するほか、すでにソロ作品をBlue Artレコードから発表。ハーモニカ鬼才FRANCO LUCIANIとデュオでライブを行うなど若くして才能に溢れる注目のピアニストである。一方のPABLO PUNTORIERO(パブロ・プントレイロ)。こちらもアルゼンチン・ジャズ界を代表するサキソフォニストである。Mariana Baraj, Carlos Lastra, Javier Malosetti,Los Fabulosos Cadillacsといったジャンルを超えた一流ミュージシャン達と共演し、数多くの録音に参加する演奏家だ。
そんな気鋭の二人によるピアノ×サックスの注目デュオ・アルバムが本作「EL ENIGMA」である。冒頭 "El Desorden"からまず惹き込まれる。広大なパンパを吹き抜ける風のような、荘厳さと透明感を湛えたPAULAのピアノ。彼女の並々ならぬ才能が既に爆発していると言っても過言ではない美しい幕開けである。さらに木管特有の丸みを帯びた音色で、曲に独特の熱を与えるPABLOのサックスで再度驚く。それぞれに際立った特徴がありながら、それが霧散した瞬間に、二人の関係性が構築される。その一瞬の色彩の儚さに本作の特徴が良く現れているといえよう。パーカッションによる前奏が不思議な世界を演出し、二人のピアノとフルートが抽象的なフレーズを奏でる水墨画のような"Paisajes"。一転リリカルなピアノと抑制の利いたサックスで聴く者を優しさに包む"Espiritus"。実験性に富みながらも、心の機微を辿る短編映画のような美しい展開が実に素晴らしい。
数多くリリースされるアルゼンチン・ジャズの中でも日本人のメランコリーに強く訴えかける、耽美的な魅力に溢れた作品。部屋でゆっくりと聴きたくなるであろう夜と灰色が似合う一枚だ。
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PAULA SHOCRON, PABLO PUNTORIERO