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インサイド・ストレートを筆頭に、クリスチャン・マクブライドのレギュラー・バンドで活躍する若きピアニスト, クリスチャン・サンズ!
自らの音楽的な興味を大いに盛り込んだ一作を以てMack Avenueからワールド・ワイドにデビュー!
コネチカット州ニューヘヴンに生まれ、幼い頃から音楽に親しんだサンズは、5歳で曲を書き始め、10歳でプロになるという早熟ぶり。その後13、4歳ときにレジェンド/ビリー・テイラーに出会ったことも大きなポイント。きっかけは、7月に行われたサマー・スクールに参加したことながら、最初の一週間で、テイラーに才能を見いだされ、直々のプライベート・レッスンを受けることになったのだそう。それ以来、テイラーが音楽的な師匠になったのはいうまでもありません。サンズ曰く、テイラーは“Music Grandfather”。テイラーがヒーローとして仰いだというアート・テイラーのことを話せば、サンズは“The Roots”“A Tribe Called Quest”“John Legend”といったアーティストのことを話し、ヒップ・ホップやR&Bの影響も語ったとのこと。この辺り、世代を越え、ジャンルを越えた音楽への愛を感じさせるエピソードといえます。
そんなサンズが、クリスチャン・マクブライドと出会ったのは必然かもしれません。レイ・ブラウンの再来と言われ、ジャズの王道のフィールドでデビューし、かつジェイムス・ブラウンを心から愛し、ソウルやR&Bといったブラック・ミュージックのグルーヴを融合させるマクブライドは、正に、サンズのお手本ともいうアーティスト。サンズ曰く“クリスチャン・マクブライドとは、最初に会った時からクールなコネクションを感じていたし、音楽において、同じ道を見ていると感じた”とのこと。しかし、出会うべくして出会い、かつ「チャンスをモノに出来る」かは別の次元の話。そこをガッチリつかめるのがこの若きアーティストの才能の証といえます。
本作は、そんなサンズが、世界に投げかける第一弾! 気合も充分なら、音楽も様々なものが織り込まれました。
オープニングは、チック・コリアにインスパイアされたというナンバーですが、ドライヴ感あふれるリズムに、キャッチーなメロディが、ジャズのフィーリングを失うことなくスタイリッシュに決まるソロは正に本格派。超絶の技巧は、華麗なトリルを聴けば、充分過ぎるというものです。10曲中8曲のオリジナルの中には、バド・パウエル、またハービー・ニコルスへのオマージュとしたナンバーもあり、その曲の名前は、文字通り“Bud's Tune”。ソロには、王道の4ビートのスウィング感が根付きます。
一方、現代的なアプローチも多数。ハドソン川沿いのウェスト・サイド・ハイウェイが見えるマンハッタン・スクール・オブ・ミュージックの練習室で作曲したというM3はマーカス・ストリックランドをフィーチュア。スピード感と重量感があるNYのヴァイブレーションを感じるナンバー。ベン・ウィリアムスのバンドでよく共演したといったギラッド・ヘクセルマンをフィーチュアしたM7は、スペイシーなギターの音色とコンテンポラリーな色彩感がさわやかな演奏を聴かせてくれます。また、ビル・ウィザースのナンバーM8では、エッジのきいたヒップなグルーヴも。一方、地元にいた時は、ラテンのグループでもよく演奏したというサンズ。M5はアフロ・キューバンなナンバーで情熱的なソロを飛ばします。
小説の世界では「処女作にその作家のすべてが詰まっている」とよく言われますが、音楽の世界もしかり。ワールドワイドに向けては実質デビューともいえるリーダー作には、サンズの思いがいっぱい。子供の頃に見たというアニメ映画のナンバーで、リンダ・ロンシュタットが歌いグラミー賞を受賞したという最後のバラード・ナンバーまで、多彩な魅力が満載。
プロデュースは、クリスチャン・マクブライドと共に、Mack Avenueのおなじみ、Al Pryor、日本が誇る現代のファーストコール・ベーシスト、中村恭司と、マーカス・ベイラーを核にした作品。本年は渡辺貞夫のバンド・メンバーにも抜擢されたサンズ。今後が楽しみです。(メーカーインフォより)
メンバー:
Christian Sands(p)
Marcus Baylor(ds), Gilad Hekselman(g 7,8,9), Christian McBride(arco upright bass solo 8),
Yasushi Nakamura(upright bass), Cristian Rivera(perc 5), Marcus Strickland(ts 3,4, b-cl 4)
CHRISTIAN SANDS / クリスチャン・サンズ