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日本の高度経済成長の裏側で人知れず消えていった秩父の仕事歌。秩父に身を置きながら遥か遠い影の秩父を拝む。
フォルクローレ、現代音楽のフィールドから出発して、現在では、図形楽譜の制作や秩父前衛派での活動、8ミリフィルムによる映像作品制作等々、どんどんその活動範囲をマルチに広げている奇才、笹久保 伸。今度は、彼のホームグラウンドである秩父の“忘れられた”すでに歌われなくなって久しい仕事歌を、演奏しおおいに歌い、メタフィジカル(形而上学的)に再生してしまいました。
この企画(発想)は、秩父の民俗学者、栃原嗣雄さんが1960年代に当時秩父で最後の仕事歌の歌い手たち(労働の当事者たち)から歌を採集した音源を、笹久保が聞き興味を持ったのが発端です。その採集された音源や郷土史家などから
お借りした資料などをもとに、笹久保が編曲し秩父のスタジオで録音したのが本アルバムです。
ただ、秩父の仕事歌を単に再現するのでは無く、笹久保がペルーにおいて自身で採取したアンデスの音楽をそのエッセンスを凝縮したかたちで、再構成して独自の世界を創造したように、秩父の仕事歌もまたある種メタフィジカルな方法で郷土の記憶を掘り起こしています。ノイジーなエレキギターが特徴的なものや、まるでレゲエや沖縄民謡?というようなリズムが重ねられる曲、ギター1本の弾き語りなどなど、曲によるアンサンブルの多彩さも聞き物ですが、録音としては初めてとなる笹久保伸の歌にも注目。
全13曲中、12曲は笹久保自身による編曲、残る1曲(12曲目)は、高橋悠治氏によるアレンジです。また、現代美術評論の旗手、椹木 野衣氏がライナーを寄稿しています。
(インフォメーションより)
SHIN SASAKUBO / 笹久保伸
日本のギタリスト
2024.03.08
LATIN/BRAZIL/WORLD
笹久保伸『CHICHIBU』『Picture』『Sam Gendel & Shin Sasakubo』『Catharsis』秩父出身の異才ギタリスト4タイトルがCD化!