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「あの時、あの場所、あの瞬間のために輝いた曲を集めたら、こんな素敵なアルバムになりました。世紀をまたぐ作品群、万華鏡の様なダリエ・ワールドにようこそ。」


TV音楽、CM、舞台などの音楽クリエイターとして活躍する濵田理恵の、90年代からゼロ年代にかけて作り上げた作品が、初めてCDとしてまとめられました。NHKの子供番組用に書いた曲、演劇用に書いた曲、また、自分のステージ用に書き下ろした曲もあります。それらは一瞬だけ光り輝き、あっという間に消えていってしまい、形には残っていませんでした。


今回、彼女がしまい込んでいた音源の中から、発掘されたその曲たちは、年月の流れを感じさせること無く輝きを放っていました。注目を浴びるには、余りにも短い時間しか存在しなかった曲ですが、改めて今聴き返してみると、その光は輝きを失っていないどころか、前にも増して光り輝いていたのでした。


そんな曲達を一枚のアルバムにまとめたのが、「ダリエ百葉窓」です。当初の企画では、埋もれていた楽曲、またはデモなどの音源集であり、記録として残ればよいと考えていました。ところが、実際に曲を並べてみると、濵田理恵(ダリエ)のしっかりとした作風でまとめられた、1枚のアルバムとして成立していたのです。これは、スタッフも本人も驚く結果でした。これだけの作品であれば、ファンならずとも音楽好きには、たまらない一枚になりうる内容だと自負しています。


時代的には、90年代からゼロ年代まで、十数年の間のモノです。その間に音楽の世界も大きく様変わりしてきました。しかし、ここに収録されている曲は、現代でも充分通用する魅力を持っています。例えば、ヴォーカロイドもまだ一般的では無かった頃の楽曲に、現代の”ボカロP”と呼ばれるような若者が、ショックを受ける様な曲や、きゃりーぱみゅぱみゅの大人版とも言える様な曲も収録されているのです。CDが売れなくなっているこの時期に逆行するかのような60分を超える大作ですが、最初から最後まで飽きずに聴くことが出来る仕上がりになっています。


ブックレットには、各曲の解説、及び、プロデューサーRica Sevastianの回想録、演出家堀内仁とダリエの対談も収録し、各曲の背景が見えるようになっています。マスタリングは、近年のムーンライダーズのサポート・ドラマーとしても知られる、夏秋文尚(ジャック達)が行い、録音時期が10年以上に渡る様々な音源をひとつにまとめることに成功しています。

 

(新譜案内より)