南正人・歌日記自選集Vol.3

MASATO MINAMI 南正人

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レーベル
自主制作盤(インディーズ)
国(Country)
JPN
フォーマット
CD
組数
2
規格番号
TABIARI003
通販番号
1008316345
発売日
2021年05月27日
EAN
2299991049536
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商品詳細情報

止めたら即ストップしてしまう音楽、歌のはかなさと付き合ってきた者にとっては、死はほんのちょっとのインターバル、休憩時間でしかない。どんな世界であろうと歌い出せば生き返る。
コロナで時間を持て余し気味の私は、珍しく過去を呼び寄せ遊んでいるうちに、こんな妙な自選集が出来てしまった。
自分の中から出てきた作品のほぼ全曲を使って、見えない音のオブジェを創ろうと格闘しているうちに、もの凄く濃厚な濃密な時間に引き込まれ、やがて過去、現在、未来がひとつに重なり合っている場所に辿り着いた。たまげている。
南正人


「あさってカムパニー」について
ナミと出会ったのは自分がバイトをしていた、青山にあった「汽車倶楽部」という店だった。
ある日、黒いサングラス、黒の革ジャン、黒のトレーナーに黒いジーンズ。全身黒づくめの人が入ってきて、オーナーと話をして店を出て行った。
「オーナー、さっきの人は誰ですか?」「南さんといって、音楽をやってるから、歌わせて欲しいといってたよ」「いつからですか?」
「それがね、歌いたい時に来たいから決めたくないんだって」
と聞いて、そんな人もいるのかと思ったのがナミの第一印象だった。
それから出演日も決めないでフラッと現れては歌っていく。オリジナルの「ジャン」「青い面影」「五月の雨」、ハンク・ウィリアムス、シャンソン、メキシコの歌を歌っていた。
そんなある日、ライブも終わってカウンターで話し込んでいると
「終電間に合わないからキミの家に泊めてもらっていい?」ということになった。
夜遅く、青山から恵比寿まで、なーんにもない家まで2人で歩いた。
取手の取れたギターケースを脇にかかえ、ケースの中にはチューニング用のラジオペンチが入っていた。ギターの名前はジャンニーニ。
恵比寿のタコ公園近く、木造の違法建築、変形アパート屋上に建つトタン屋根のバラック小屋。広さは4.5畳?くらいだったかな。
ナミが初めてわが家に来たときのエピソードは「KEEP ON!」に書いてあるから読んでみて下さい。
最初の日にナミは気に入ったからここに住みたい!と言い出した。
エッ?ホント??!と思ったがこれも何かの巡り合わせ。ジタバタしても始まらない。なぜか屋上にあった2畳ほどのスペースの物置小屋を借りることになった。
物干し台で、おはよう、のあいさつをする奇妙な共同生活が始まることになった。
レコードを聴き、ギターを弾き、夜の底まで話は尽きることがなかった。ケムリを吸い込んでは世界の果てまで旅をした。
ナミのレコーディングが決まってからは「回帰線」のための新曲作りに夢中になった。ギターに合わせて割り箸でドンブリ叩いて”男の心は海の広さ〜〜”
本気かジョーダンか、コトバとイメージのキャッチボールはエンドレス。
いつだったか、自分達でコンサートをやろう、ということになった。
「タイトルは魂のコンサート」会場さがしにチラシ作り。2人共得手不得手な作業とミーティングしながら、主催者名や連絡先がないとまずいよね、ということになった。1970年のことだ。
ナミが出かけて留守のとき、アイラーの「Spiritual Unity」を聴きながら、思いつくままメモをした。
きのうより今日、今日より明日、明日より先のあさって。
その夜ナミと2人でオフィス名を決めるミーティング。未来を感じるのがいいよね、と突然思いついたのが「あさってカムパニー」
ナミ、スピリチュアル・ユニティーって訳すと「あさってカムパニー」だよね、と訳のわからない会話で2人が納得。それで決まりだった。
考えすぎてはいけない。思いつきは神様のアドバイス。
2人で日比谷の野音に出たとき、ナミは歌う前にマイクに向かって大声で叫んだ。マ・リ・ワ・ナ〜〜〜!!!
コンサート会場で最初に叫んだミュージシャンが南正人。
それが「あさってカムパニー」
ギターをエレキベースに持ちかえ、自分がアルトサックスで狂ったように吹き、ベースはリズムを刻む。それが「あさってカムパニー」
ナミが曲を書けば自分が絵を描き、イマジネーションが湧いたらメロディーを、詩を、落書きを。心ワクワク、ドキドキ、ブルブル。それが「あさってカムパニー」
「あたしのブギウギ」のシングルレコードの試聴盤の袋にも、コンサートのチラシにも「あさってカムパニー」と書いた。
2020年、ナミの自選歌集に@あさってカムパニー、と印字されてるのを見つけて嬉しかった。ナミ、忘れてないんだ。50年間のスピリチュアル・ユニティ。オレ達まだまだやることあるんだよ、とメッセージを発信しているように思えた。
年が変わったらナミと会おう、と思ってたら遠い旅に出てしまった。
ナミが残した歌と旅の出会いと無形のバイブレーションを受けとめて、スタート・アゲイン。
成田ヒロシ

ソングリスト

Disc 1

  • 1.上海帰り
  • 2.if you ever
  • 3.希望峰
  • 4.薔薇の呟き
  • 5.リバー
  • 6.アフリカ
  • 7.Do me good,Baby
  • 8.ローリングストーン

Disc 2

  • 1.ルート53
  • 2.雨上がりの夜道
  • 3.ほんの繋ぎのブルース
  • 4.哀しみ宿り
  • 5.こぼれゆく日々のブルース
  • 6.お前苦労するぜ男で
  • 7.今夜はオーライ
  • 8.あたしってバカね