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フォーク+トイポップ+ピクシーズ!?
時に甘く切なく、ほろ苦くて少し騒がしい日常 - 誰しもが抱えるそんな青い衝動と情景を封じ込めた1枚。全世界に、大きな声で「ハロー、ハロー、ハロー」.東京発チェンバーポップ~オルタナポップのニューカマー、 “herajika”!
一切のリリース前にも関わらず一般公募の枠からの出演を決めたexPoP!!!!!での演奏や、自主制作CDRのリリースに続く、herajika (ヘラジカ) 初のフルアルバム。トイピアノやシンセ、メロディオンも含めた楽器群と、男女混成ボーカルから成り立つ5人編成による演奏は、決して室内楽的なアンサンブルに留まらず、バンドとしてのダイナミズム、力強さを両立させ、USインディー譲りのフリーフォーキーなサイケデリアと、トイポップにも通じる遊び心溢れる普遍的なメロディーを併せ持つ。
本作のレコーディング~ミックス~マスタリングエンジニアには、これまでに山本精一・昆虫キッズ・oono yuuki・大友良英の諸作も手がけた事で知られる近藤祥昭を迎え、GOK SOUNDにて全編アナログテープでの録音。多彩な楽器の一音一音だけでなくスタジオの空気までも生かし、緻密に振り分けられた左右のチャンネルから飛び込んでくるハーモーニーと音色は、生々しくも至極カラフル。ほんの少しスパイスをまぶした、エッジの効いた重奏に、少年の様な青さをまとうmishinのボーカルが寄り添う全11曲。
「Outro」、「Straw」といったチェンバーポップの要素を十二分に感じさせる楽曲もあれば、「ハリケ
ーン」や「犬走る」では、無駄を削ぎ落とした展開と演奏が生み出していくサイケデリアな輝きが、朝焼けの様な光を眼前に浮かび上がらせる。バンドの持つイメージを良い意味で裏切る「Clay」ではラップ調のボーカルと歪むベースラインを筆頭に複雑に絡み合う演奏が、ケイオティックかつ圧巻のフィナーレの演出する。
閉ざされた室内楽では決してなく、日常にころがっている幸せも喧噪も全てすくい上げ、誰しもと寄り添う祝祭のポップミュージック。
herajika / ヘラジカ