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ワルド・デ・ロス・リオス。1934年ブエノス・アイレスに生まれ、77年スペイン:マドリード没。ロックンローラーのようなポートレートだが、実はクラシック/タンゴの世界やヨーロッパなどでも活躍したマルチ・ピアニスト、編曲/作曲家である。ブラジル音楽に詳しい方であればハダメス・ニャッタリの名を挙げれば、それに匹敵する音楽家とすればイメージしやすい。ハダメスはクラシック~ショーロ、後のボサノヴァに至るまで、表立ってこそ名前は登場しないが、確実にその国の音楽形成に影響を及ぼしたような偉人。ワルドもまさにそんな人物で、アルゼンチン固有の音楽をクラシックの手法を注入して表現した伝説の音楽家である。
今回リリースされるのは、ワルド率いる1960年代のキンテート時代の録音集全15曲。3曲を除き作曲もワルド自身のペンによるもの。アルゼンチンの伝統フォルクローレである「サンバ(ZAMBA)」や、クラシックの表現を基調にした、時代を感じさせないモダンな感性をたっぷり楽しめる素晴らしい作品となっている。坂道を転がるようなワルドのピアノによるテーマ部からストリングス&パーカッションが加わるM1"El Hacha Y El Quebracho"を皮切りに、ヴィブラフォンとピアノのアンサンブルが美しいM2"Zamba En Nueva York"、ストリングスとホーン隊が荘厳に曲の骨格を固める間を、悠々とピアノが進んでいく組曲M3"Tero-tero"など、どのトラックも迸るようなエネルギッシュな演奏と、今聴いても切に感じる斬新なアレンジが施されている。これまで殊に一部の好事家にしか聴かれていなかったことのほうが不思議なくらい、素晴らしい音楽性を持ったワルド・デ・ロス・リオスの音楽。昨今注目の集まるアルゼンチン音楽の最も良質な「ルーツ」の一つとしても捉えられる貴重な遺産と言える。
WALDO DE LOS RIOS / ワルド・デ・ロス・リオス