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シルヴィナ・ガレ。日本ではあまり知られていないがMPA(ムシカ・ポプラール・アルヘンティーナ)シーンではキャリアの長いシンガーだ。キャリアの出発は1981年、フィト・パエスやフアン・カルロス・バジエットらとともに歌い、1983年には自身のグループを結成しデビュー。同時に映画音楽方面でも活躍するなど正統派といった呼称が相応しいシンガーといえる。
これまでに10枚以上のアルバムを発表してきた彼女の最新作が本作。基本的なサウンドとしてはベテランによる非常にしっかりとしたつくりのポップス。ピアノにベース、ギター、ピアノの編成に彼女の高域を活かしたヴォーカルが軽やかに弾む。そんな中でも光るのが取り上げたレパートリーである。自らのオリジナルをはじめ、彼女を見出したといえるフィト・パエス、更には音楽家として長い信頼関係にあるコンテンポラリー・フォルクローレ・シーン最大のSSW、ホルヘ・ファンデルモーレの楽曲を中心にアルゼンチンらしい匂いを存分に感じさせるのが聴き所だ。
クラリネットの音色が穏やかな空気を生み出すM3、コーラスとともにアコギのアルペジオが重なるイントロから情感豊かなヴォーカルを聴かせるホルヘ・ファンデルモーレ曲M5、そしてメルセデス・ソーサもカバーしたフィト・パエスの名曲M6「私の心を贈ります」・・・。MPAの中にしっかりと根付くアルゼンチンの心を感じられる味わい深い一枚である。
El tempano
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SILVINA GARRE / シルビーナ・ガレ