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ミナス新世代の注目人物が一堂に会した楽団ミストゥラーダ・オルケストラの中心人物ハファエル・マセード。2009年に自身のグループ「プランド・オ・ヴィトロー」を率いて録音・リリースした傑作。
ハファエル・マセード(Rafael Macedo)は、ミナスの若手作曲家たちによる実験的大所帯楽団Misturada Orquestraでも中心人物として活躍する作編曲家/ピアニストである。15歳からキャリアをスタート。2004年頃よりプロとして活動を始め、2006年にはBDMGというインスト音楽におけるコンテストで入賞するなど、マイペースながら着実にキャリアを積み上げてきた逸材だ。
本作『Quase Em Silêncio』は2009年に自身のバンド「プランド・オ・ヴィトロー(Pulando o Vitrô)」を率いて録音した作品。アントニオ・ロウレイロを筆頭とするミナス新世代シーンが知れ渡る前だったこともあり、当時少量が日本に輸入されたにも関わらず、一部のファンの間で評価されるに留まり、大きく紹介されることはなかった。しかしそのあまりの内容の素晴らしさゆえ、再入荷を待ち望む声も多かった逸品で、プロデュースはクリストフ・シルヴァ。
バンドの編成は少しユニークで、 ピアノのRafael Macedo以下、管弦のアンサンブルがメインで、絶妙なパーカッションも挿入される。ボサノヴァのようなバチーダからスタートするも急激にギアを上げカオティックなサンバへと突入する#1、エルメートを彷彿させるプログレッシブな展開を見せるインストゥルメンタル#2、シンプルかつ重厚なベース・ラインの上でフルートとクラリネットが存分にソロを披露する#3、ハファエルのストーリー性のある歌を緻密な編曲・展開が支える#4、管弦楽の荘厳なアンサンブルが静寂を際立たせるタイトル曲#6、長閑なスティールパンの音色がカオスに包まれて行く#10、ノスタルジーを誘う鉄弦ギターのアルペジオに管弦アンサンブルが緻密に配されて行く#8、インストゥルメンタルと歌、知性と野生の新たな関係性を掲示するハファエル・マセードの試みは、ミストゥラーダ・オルケストラを筆頭にしたミナス連邦大学出身者によるミナス器楽シーン、更に言えば、ウアクチやエルメート・パスコアールといった偉大なる先人に連なる系譜といえる。
あくまで歌に焦点を当てるような緻密かつ目まぐるしいアコースティック・アンサンブルをフィジカルで表現するバンド特有の生々しいサウンドが、渾然一体となり迫りくる様はまさに圧巻だ。アントニオ・ロウレイロが1stアルバムを発表する数年前にリリースされていた驚くべき傑作。時代が追いついたとも言えるミナス新世代音楽の名作。
【Musician】
Rafael Macedo (piano)
Felipe José (cello)
Flávio Ferreira (clarinet)
Juliana Perdigão (clarinet, flute)
Pedro “Trigo” Santana (contrabass)
Yuri Vellasco (percussion)
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RAFAEL MACEDO / ハファエル・マセード